シニアツアー第7戦「ファンケルクラシック」の第2ラウンド。シニアルーキー阿原久夫(50)が66をマークし通算8アンダーで首位に立つと、首位2打差からスタートした崎山武志(58)が5つスコアを伸ばし同スコアで並んだ。さらに最終組の伊澤利光(53)と田村尚之(57)がそれぞれ通算8アンダーでホールアウトし首位の座を譲らない。最年長出場している髙橋勝成(71)が71ストロークでプレーし、エージシュートを達成した。今年5回目のシニアツアーでエージシュート。大会は無観客試合として開催されている。
「戻って来ることができたから良かったです」。これがインタビューエリアに現れた田村尚之の第一声だった。
通算5アンダー・首位タイからスタートし、前半でスコアを二つ伸ばした。だが、後半に入って11、12番ホールで連続ボギーを叩く。いずれも3パットだ。「パットが上手い人は外したらイライラするのでしょうが、僕は上手いわけではないから」という田村は帯同キャディーの読みに従ってパットを打っている。それが前日は奏功したが、2日目ともなるとカップインの魔法が解けてしまうのだろうか。「ラウンド途中からタッチが少し弱くて届かなくなり、帯同のキャディーさんから『弱気になっていますよ』と言われたくらいです。でも、もともと小心者なので、その性格も出ちゃったのかな」と苦笑い。
首位争いから脱落した。だが、連続3パットによって落ち込むのではなく、開き直れた。「あれだけパットが外れて、ショットはよく崩れないなと思ったし、それに次の13番ホールですぐにバーディーが取れた。思い切りプレーできたのが良かったみたいですね」。田村はそう振り返りながら、どこかソワソワしているようだった。「これから新幹線で品川までマッサージに行くんです。帰りの新幹線の指定もすでに取ったし、ちょっと急いでいるもので」と理由を打ち明けた。背中を痛めてから、事ある毎に専門マッサージを受け続けている。「マッサージで体がまたリセットされたら、明日もいいゴルフができると思うので、頑張ります」と言って、田村は足早にロッカールームへと向かった。
一昨年の大会ではプレーオフ負けを喫しただけに、首位タイで最終日を迎えられるのはデカい。冒頭の「戻って来ること」とは優勝争いを意味しているのか、それとプレーオフをも想定しているのか。首位タイから抜け出し、単独首位でホールアウトできるかに注目したい。