シニアツアー第7戦「ファンケルクラシック」の第1ラウンドが8月20日に行われた。伊澤利光(53)と田村尚之(57)が5アンダーで初日好スタートを切る。1打差2位4アンダーには、水巻善典(62)が続く。前回覇者で大会3連覇を狙うプラヤド・マークセン(55)は5オーバー65位タイと出遅れた。大会は無観客試合として開催されている。
一昨年の2019年大会では通算9アンダー首位タイでのプレーオフ決戦で敗れ、2位タイに終わったのが田村尚之。18年大会は16位タイ、17年大会13位タイなど田村が初出場した14年大会での43位タイ以外は、すべてベスト20入りを果たしている。 2年前の雪辱を果たすために万全の準備を整えて臨んだ大会初日に7バーディー・2ボギーの5アンダー・67で回り、首位タイの好発進を遂げた。
「こんなにいいスコアが出たのには驚いています。でも相性の良いコースですし、今年も結果的にいいゴルフになってくれましたね」。そう前置きして田村節に熱が入り始める。「僕は乱視で、どんなところから見ても右サイドが高く見えちゃう。フラットなラインでも右サイドが高く見えるからフックラインに読んでしまうんです」。
田村はファンケルシニア、そして裾野カンツリー倶楽部への想いが強い。「実はこの大会に初出場した時も前回の優勝争いの時も、帯同キャディーをしてくれていたハウスキャディの鈴木美穂さんでして、今大会も帯同をお願いしたのです。彼女は結婚退職していましたが、今年はカートでのラウンドということもあって、バッグを担がなくても良いからと何とかお願いして、再コンビを実現できたのです。グリーンの読みは、信頼していますし、ラインの読みはキャディーさんお任せです。僕はその指示通りに打つだけです。お陰でパットの不安は一切なく、その分良いゴルフが出来ているのだと思います。ショットに関しても今日は体調がいい時と同じくらい良かった。すべてが噛み合ってくれました」。楽譜に例えるなら息継ぎのブレス記号無しのように、田村はこの日の好スコアの全貌を明かしたのだった。
「大会はまだ2日ありますからね。持病の背中も痛いですし、いつもは東京・品川の病院まで新幹線で通うのですが、今日は先生がお休みなので、自分でしっかりとケアをします。明日からも帯同キャディーさんのパットラインの読みを信じて、パットでスコアを作っていきたいです」。コンビを組んで7回目の挑戦。帯同キャディーさんへの遅ればせながらの結婚祝いに優勝と行きますか。
(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)