NEWS
シニアツアー

〈FANCL CLASSIC/1R〉衰えを知らないベテラン水巻が首位と1打差3位

2021年08月20日

 6番ホールからの4連続バーディーで2位に駆け上がった水巻善典は、後半9ホールすべてをパーにまとめてフィニッシュ。5バーディー・1ボギー68で3位の好位置に着けた。「今日はスコアを気にせず、帯同キャディーをしてくれた大学生と会話しながら楽しくプレーができました」と振り返った水巻は、別の話をし始めたのだった。「自分のゴルフよりも女子プロテストの一次が行われているんですが、実はジュニア時代から教えている教え子が出場していて、彼女のスコアの方がよっぽど気になっちゃって…。初日71とまずまずのスタートだったけど、昨日は77 を叩いてしまったんです。それでも今日は70で回ったという連絡がきたので、多分、大丈夫だとは思うんだけどね」。この日は、プロの道を歩み始めようとしている教え子を案じていた一日だったのだ。

 実は8月に入って、大会初日が3回目のラウンドだったというから驚く。「普段はプライベートでゴルフはしません。それにこの歳にもなると練習をしたからといって、良くなるわけではないし、その時次第なゴルフ。でも面白いことに、ちょっと飛ぶようにはなっているんですよ」と水巻はニタリと笑った。シャフトをレギュラーツアーで人気のモデルにリシャフトしただけでなく、ショットの方向性よりも飛距離を優先するスイングに変えたというのだ。

 「飛ぶ人ってどんなことに気を付けているのかを聞き回った。飛ばない人が飛ばそうとしているスイングポイントとは、根本的な違いがある」。それを追求した結果、まったく違うことを考えていたり実践していたりしていた。「それを練習したからといってできるようにはならないけれど、自分なりに頭で考えてやってみるようにしたら、時折、ビックリするくらい飛ぶこともあるんです」。来週27日に63回目の誕生日を迎えるプロゴルファーは年相応のゴルフ上達術を編み出したのかも知れない。「そんなゴルフですけど、日曜日の16番ホールを終えた時に優勝争いができていたら、頑張りますよ」。水巻は再びニタリと笑ったのだった。強さは衰えを知らない。