「傍から見ていたら、まさか!?のスコアですよ、ホント」。寺西明はネームボードをリーディングボード上段2打目に掲げながらも、満足そうな表情は浮かべなかった。
アウトコースから発進した寺西は2番パー5ホールで50センチのバーディーパットをタップインし、7、8番ホールで連続バーディー。前半でスコアを3つ伸ばし、後半でも3バーディーを奪った。6アンダー・66のスコアは2位タイだ。
だが、「ティーショットでフェアウエイを捕らえたホールがあったかな…。ホント、2打目はラフからのショットばかりでしたよ。ショットがバラつきぱっなし。こんなスコアでよく回れたと思う。自分で自分を褒めてあげたい。よく頑張ったな、と」。寺西は苦笑いを浮かべた。
先週の試合では、2日目スタート前に腰痛のために棄権している。「股関節に痛みが走り、それを無理にプレーして長引いた経験が昔もあったのですが、それに似た症状だったことから棄権させて頂きました。すぐに(開催地・栃木県から)地元・神戸へ戻り、治療してもらった次第です。痛みは治まりましたけど、すぐ治るという訳でもない。現にラウンド中、痛みを覚えたので痛み止めを飲んだほどです。ショットは不安定でしたが、パットがうまく決まってくれた。誤魔化しながらやっています。四苦八苦しながのプレーですから、この順位(2位タイ)にいるのが奇跡みたいです」 。
無欲だからこそ、優勝を引き寄せられることもある。それこそが「真の奇跡のゴルフ」になる--。