昨季は、最終戦までシニア賞金王争いを繰り広げたものの、惜しくも賞金ランキング2位の終わった篠崎紀夫。今季の開幕戦前に、こんな話をしていた。「コロナ禍で開催中止になった試合がいくつかありましたよね。シニア参戦3年目とはいえ、自分にとっては、まだラウンドをしたことがないコースでのトーナメントも意外に多いんですよね。練習ラウンドでコースチェックをしていても実際の試合となると様相が違って来る。だから、どうしても1ラウンド目は手堅くというか、安全にプレーするので好スコアをマークしづらいんです」。
篠崎にとって、先週の「すまいーだカップ シニア」舞台となったイーストウッドカントリークラブでの試合は「お初」だった。安全運転ゴルフながら初日に3アンダー・69をマーク。「思っていた以上のスコアが出たので、つい調子に乗って2日目から攻めに出たら75とコケてしまった。それ以降、ショットがズレてばかりなんです。今日だって、持ち球がストレートからフェードなのに、いきなり左方向へ2発も打ってしまったほどです」。篠崎は首をカックンと折り曲げ、項垂れてみせた。そして、顔を上げると「でもアプローチとパットが良かったです。特にパットはしっかり打てていました。ワンピン距離のパットが入ってくれたのは嬉しいです」と頬を緩めた。
25パットが奏功しての5バーディー・67。大会初日から首位とは2打差の単独4位発進。優勝を狙える好位置に着けた。「練習ラウンドの時から優勝スコアは2桁だと聞いていたので、初日3アンダーは出しておきたかった。3アンダー✖大会3日で9アンダー。一日は67以上の好スコアを出さないと2桁スコアには届かないと思っていましたが、初日にマーク出来てラッキーです」。
今季はすでに2戦目で優勝を飾り、目下、賞金ランキング1位に立つ篠崎は「ウィラチャンが1戦1勝で(賞金ランキング)2位と迫って来たので、その差をこれ以上縮められたくはありませんからね」と言い切った。早くも優勝宣言? まずは明日、2日目に攻めのゴルフを展開するかに注目したい。