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シニアツアー

【すまいーだカップ・1R】念願シニアデビュー戦で阿原久夫が4位と好スタート

2021年06月03日

 今大会でシニアデビューした阿原久夫(50)が、8番でシニア初イーグルを決めるなど4アンダー68をマークして4位につける「シニア初日」になった。コロナ禍で今大会から2年ぶりにツアー復帰した2019年賞金王タワン・ウィラチャン(54=タイ)が8アンダー64でいきなり首位発進。3打差2位に小山内護(50)、デービッド・スメイル(50=ニュージーランド)がつけた。大会3連覇を狙う山添昌良(53)は1アンダーで21位スタートになった。

 シニアデビュー戦のスタートホール10番。「いい感じで緊張しました。ワクワクしすぎなのか、心拍数がいい感じで上がってました」と、阿原は笑った。10番はパー3(178ヤード)。力が思ったより入ったのか、15メートル以上もピンをオーバーした。それが入ってシニアデビュー戦でいきなりバーディー発進。続く11番では1メートルにつけ、連続バーディーを奪った。

 「あれはご褒美だったんでしょう」と振り返るように、続く12番で左の木の下にいってダブルボギー。イーブンに戻った。14番でボギーにしたが、15番パー5で2オンして取り返す。出入りの激しいゴルフになった。1番に折り返して、バーディーを取ってから落ち着いた。再びスコアを動かしたのは7番パー3。奥5メートルを決めた。ハイライトは8番パー5(512ヤード)。残り205ヤードの第2打を4番アイアンで3メートルに2オン、シニア初イーグルまでもぎ取った。

 振り返れば、シニアデビュー日にイーグルからダブルボギーまで全部やった。「はい、楽しみました。こうした舞台に立てることに感謝したい」と話した。

 広島・熊野高入学後にゴルフを始めた。ちなみにこの高校は有吉弘行と同じ高校で、有吉の3年先輩にあたる。「野球で甲子園に行きたいという気持ちはあったんですけど、高校に入って『緑の甲子園』というのがあるのを知って、ゴルフにも全国大会があるのかと。それでゴルフを始めました」という。初ラウンドが118だったが、2ラウンド目に96、3ラウンド目には74で回ったというから、ゴルフがぴったりはまったのだろう。3年の時に日本ジュニアにも出場を果たしている。

 中央学院大に進んでゴルフ部に在籍。「就活を始める3年の時の成績を見て進路を決めよう」と思っていたところ、関東学生で3位に入ったことで、プロゴルフの道を選択した。プロテストは4回目、28歳で合格した。

レギュラーツアーでは優勝できず、シード権獲得もならなかった。「45歳ぐらいからシニアを意識しました。50歳を過ぎてチャレンジできるというのは素晴らしいことだと思います」という。最終予選会に進み、13位で今回の出場資格を得た。5月13日に50歳の誕生日を迎え、待ちに待ったシニアデビュー。しかも、優勝を狙える位置でのスタートになった。

 これからのシニアでの目標は?「何年出来るか分かりませんが、試合に出続けて、シニアでちゃんと戦ったと自分で思えるようになりたい」。好位置につけて、ちゃんと戦った証になる成績を残したい。「明日以降、欲張らず、アンダーパーを重ねることだけ考えたいです」。広島市内の練習場で生徒60人を抱える先生。生徒たちにも胸を張れるプレーを見せたい。

阿原久夫インタビュー動画は こちら>>

(オフィシャルライター・赤坂厚)