プラヤド・マークセン(55)、タワン・ウィラチャン(54=ともにタイ)の2人の賞金王が、2年ぶりにシニアツアーに帰ってきた。マークセンは恩師の突然の訃報を日本で知り、悲しみを乗り越えての参戦となる。
コロナ禍のため、昨シーズンは来日できなかった2人。今季は2週間のホテル自主隔離を経て、5月13~16日のJGTツアー「ダイヤモンドカップ」から出場した(2人とも予選落ち)。今大会前日の2日は、2人で練習ラウンドを行った。
マークセンに訃報がもたらされたのは1週間前。かつてマークセンがホアヒンでキャディーをしていたゴルフ場の支配人で、かれこれ40年以上の付き合いになる。プロになってからも日本ツアーの挑戦を後押しし、専属コーチを務めていた恩師のタケオさん(※写真左)が突然心不全で亡くなった。日本滞在中のマークセンは葬式にも出られず、その様子の写真を携帯電話に出して見せ「眠るように亡くなったそう」と話す表情は、悲しそうだった。亡き恩師にためにも、この大会に期するものがあるだろう。
ただ、ゴルフの方はホテルで自主隔離していて体力が落ちたこともあり「ダイヤモンドカップの練習ラウンドは9ホール歩いたらフラフラだった」と、まだ万全とはいかないようだ。自主隔離中のホテルでも、やったのは「パッティングとマシンで筋トレぐらい」で「あとは食べて、寝ていた」という。「でも、彼は部屋でスイング練習をしていたよ」と、ウィラチャンをちらっと見た。
そのウィラチャンは「まだノーフィーリング。練習ラウンドも全然だめだった」と肩をすくめた。左手首を痛めていて「今回もどうなるか分からない」と話した。
2016~18年まで3年連続賞金王のマークセン、19年賞金王のウィラチャンと、日本勢にとっては強敵がツアーに復帰した。2人はこのまま12月までの6カ月、日本で戦う。シニアツアーがさらに締まった雰囲気になりそうだ。