海老原清治が2日間首位を走り切り「ひやみかちスーパーシニア2021」を制した。2位の初見充宣と1打差の通算1アンダーで発進した海老原は、5番ホールまで手堅くパーを積み重ねた。「追う」初見は2、3番ホールで連続ボギーを叩き、海老原とは3打差に広げてしまう。6番ホールでは痛恨のダブルボギーを打った。
「追われる」海老原は6番ホールでボギー、7番ホールではOBショットを放ったのだった。それでも前半終了時点で2打差と開いた。
毎秒5メートルの強い風が吹き続け、時間が経つにつれてグリーンは乾き、硬く引き締まって行った。「風でグリーンが難しくなって、ボールが止まらない。とてもバーディーを奪えるグリーンコンディションではなかった。スコアを伸ばすではなく、落とさないゴルフが勝敗のカギを握りましたね」。
長年の勝負勘が働いた。海老原は「サタデーバックナイン」では10、16番ホールでボギーを打ち、初見は16番ホールだけボギーにした。その差1打で迎えた最終18番パー5ホール。2打目をグリーン手前55ヤードのフェアウエイセンターに運んだ海老原と、同50ヤードながらフェアウエイ右の初見。海老原の3打目はスピンバックでボールは花道まで転がり戻った。それを見た初見。勝負の3打目をダフリのミスをし、4打目はグリーンにボールが止まらず、左サイドのバンカーに捕まる。
結局、パーセーブした海老原に対し、初見はボギーに終わり、海老原の大会2日間首位の「完全V」が決まった。「初見は、しぶとく食い下がったよね。最終ホールの3打目は、僕のスピンバックショットを見たからこそ、初見は強引にボールを止めようとしてのミスだと思う。ホント、風が吹くとゴルフは難しくなるよね」。
接戦を制した海老原は、敗者の健闘ぶりを称えたのだった。
なお、スーパーシニアの部では1位者が2選手以上の場合、プレーオフは行われず、年齢上位者が勝者となる。「その件は、昨年大会で知っていたから、スコアタイでも僕の勝ちという余裕はありましたよ」。海老原はニタリと笑った。
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(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)