日本シニアオープンを制し、2020年のシニア賞金王タイトルも獲得した寺西明は、今までにないオフを過ごして開幕戦を迎えた。
「このオフは(代表取締役を務める製造業の)会社の仕事に没頭していました。コロナ禍で普段とは違った仕事が増えて忙しかったんです。ゴルフに関しては週イチでしたね(苦笑)。いつもなら海外での長期合宿で調整をしていましたが、それが出来ない仕事状況とご時世でしたからね。それでも日程調整をして鹿児島や沖縄で5日、7日の合宿はしました。とはいっても、ゴルフを過ごして過ごすのが精一杯。ショットの修正、調整どころではなかったです」。
仕上がり具合は100点満点中30点と渋い。「トレーニングジムにも行けず、体も仕上がっていませんよ。でも、それを言い訳にはしたくありません。自分で選んだ(二足の草鞋)道ですから」と寺西は顔を引き締めた。
昨年の大ブレークぶりを尋ねての返答は、寺西らしかった。
「タイトルというのは、自分がゴルフを終える時に見つめ直すものであって、まだ現在進行形の時は、タイトルを客観視するだけです。今日66で回れたから明日も66で回れる保証がないのと同じです」。シニア賞金王も日本シニアオープン覇者のタイトル奪取も結果であって、「次もある」とは限らない。
そんな寺西が目標に定めたのは「2年連続のシニア賞金王、1試合でも多く勝つこと」だ。今年は日本プロゴルフ選手権、日本オープン、日本シニアオープン、日本プロゴルフシニア選手権のメジャー大会4戦の出場が決まっている。「1試合でも」とは、日本タイトルの懸かった試合を意味する。「もちろん、開幕戦Vにも照準を絞っていますよ。出場するからには、いつだって優勝を狙っていますからね。沖縄でまだ勝ったことが無いので……勝ちたいですね」。
2年連続のシニア賞金王タイトル奪取に向け、好スタートを切りたい思いが、沖縄の日差しと同じくらい熱がこもっていた。
(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)
チーム高橋、今年も楽しく、明るくシニアゴルフ界をけん引します!