プレーオフで敗退した安森一貴(24・オータニ広尾CC)は「優勝を狙える位置にいたので悔しいですね」。あと一歩のところで頂点を掴み損ねた悔しい気持ちを噛みしめながら振り返った。
6アンダーで迎えた15番パー3ホール。グリーンカラーから7メートルのパーパット決め「優勝を狙えるかもしれない」と脳裏に浮かんだ。続く16、17番をパー、18番では5メートルのパーパットを残こしていたが、強気にパッティングし沈めた。「そのパッティングで流れは自分にある」と強く確信した。
プレーオフ1ホール目、1打目はフェアウェイセンターへ飛び、残りは約70ヤード。セカンドショットはピン横1メートルに付けた。「やはり流れはきている」。先に山浦一貴が5メートルのバーディーパットを決めた。続く安森も難なく1メートルのバーディーを奪うが「そこから流れが変わりました」。メンタルスポーツ・ゴルフの駆け引きがここにあった。
プレーオフ2ホール目は、第2打目をバンカーに入れてしまい、パーパットも10メートルの距離を残した。山浦のバーディーパットは12メートル。「自分のラインだけ考えていたら、先に決められちゃいましたね」。流れはやはり山浦に移ってしまった。
「満足はしてますが、やっぱり勝てるチャンスもあったので」と悔しさがこみ上げる。
安森は、今日のラウンドを昨日より10点アップの90点と評価した。「来年はショットの精度、バリエーションを強化していきたい」。この悔しさを糧にトレーニングを重ね、2024年に本大会の会場で行われる日本プロでリベンジしたいところだ。
プレーオフは1ホール目で敗退してしまったのが、大澤和也(24・朝日インテック)。
「ショットは良かったですが、パッティングのラインが全然読めてなくて」。会場の富士カントリー可児クラブ可児ゴルフ場から車で20分ほどの距離に自宅があり、よくコースで練習をしている。クオリファイングトーナメントでも経験していた会場を「良い印象がない」と語り、グリーンの傾斜や芝目の読みが大澤の自信につながらなかった。
「もう少しパットが決まっていたら、違う展開に持っていけましたが、プレーオフでは2人が攻めていたので自分もと思ったんですが・・・」。最後まで決められなかったパッティングに悔いが残る。
それでも大澤は「このコースを2日間6アンダーでプレーできたことは満足しています」とほっと肩を撫でおろした。