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〔TCPシニア選手権/FR〕首位スタート高橋は風に惑わされ!1打差2位

2021年10月29日

 大会初優勝を賭けた髙橋正博に風速5メートルの風が立ちはだかった。「自滅です。風に惑わされたというか、対応できませんでした。未熟者です。ラウンド不足が災いした感じですね」。前日はベストスコアとなる1イーグル・3バーディー・1ボギーの68で回り、パット数は29だった。しかし、最終日は4ボギーの76、パット数33と振るわなかった。

 ピンフラッグを揺れ続ける強風下でのラウンドとなった最終日。髙橋は、ボギーを叩かないゴルフをしようと思っていた。スタートホールから丁寧なプレーでパーセーブを続けていたものの、5番パー4ホールで1メートルのパーパットを外して優勝に向けて暗雲が漂い始める。前半を1ボギーに抑えてハーフターンした。10番パー5ホール。パーオンしての4打目、バーディーパットを強めに打った。「アウトコースに比べてインコースはバーディーを計算できるホールが少ない。それだけに10番パー5でバーディーを取りたかった」。その思いが裏目に出ての3パット・ボギー。13、15番ホールでもボギーを叩き、スコアをイーブンパーにまで落としてしまったのだった。

 「15番ホールでスコアチェックがあり、首位とはまだ1打差の2位だと分かりました。本当に助かりました。まだ行ける!と自分に言い聞かせ、残り3ホールに賭けたのですが…」。守りから攻めのゴルフに転じたが、すぐに結果は得られなかった。

 最終18番パー4ホールでは、ティーショットを右林に打ち込んでしまう。2打目をレイアップし、3打目はピンまで158ヤード。前方には高い木が立ち塞がっていた。「フォーローの風でしたし、フライヤーも計算して9番アイアンで打ちました」。ピン横2メートルに着け、そのパーパットを沈めて単独2位を確保したのだった。「優勝できなかったのは残念ですが、試合にそれほど出ていない割には、よく頑張ったと思います」と優等生コメントをした後ことだった。「2オーバーのスコアで回っていたら勝てたのか…やっぱりショックだなぁ」。本音をさらけ出す。逆転で優勝をさらわれた悔しさは、抑えられなかったのだった。