「あれれ、もしかして…。そう思たんですけどね」。スコアカード提出上から出て来た平尾勝利は、愚痴をこぼした。だが、落ち込んだ表情ではなく、白い歯を見せながらのボヤキと表現した方が正しいのかも知れない。
インコースからスタートした平尾は10、11番ホールで連続バーディー奪取の好スタートを切った。これが「もしかして」のきっかけだったが、14番パー5ホールで3打目を寄せ切れず、バーディーを狙いに行ってしっぺ返しのボギーを叩く。16番パー4でもボギーを打ち、スコア貯金を使い果たす。イーブンパーで折り返してのアウトコース3番パー4ホール。ピンまで残り149ヤードを9番アイアンで軽めに打ち、OKバーディーに着ける。5番パー4ホールでは3メートルを決めて再び2アンダーにスコアを伸ばす。9番パー5ホールではツーオンを狙ったショットが前方の立ち木の上部に当たり、ボールは林の中へ吸い込まれ、結局ボギーでのフィニッシュとなったのだ。「欲をかいてしまった結果です。欲張りボギーでのフィニッシュは痛いね。
今日は、ほかに6回もバーディーチャンスを外しているしね。今日の失敗を繰り返さず、アンダーパーのスコアをマークしたら(優勝)チャンスはあるかな」。計10回のバーディーチャンス中、モノに出来たのは4回しかなかった。「パットラインが読み切れていないんだよね。今日、入らなかった分、明日入ってくれたら凄いことになるんだけどね」。優勝を期待して平尾は明日の最終日スタートティーに立つ。入らなかった借りを、キッチリと返して貰うつもりで--。