50歳以上のPGAティーチングプロシニア日本一を決定する「第17回PGAティーチングプロシニア選手権大会」が10月28日、29日の2日間、茨城県にある静ヒルズカントリークラブ(6,601ヤード/パー72)で開催される。全国3会場で実施されてた厳しい予選会を勝ち抜いた120名が出場する。
「やっぱり暖かいですね」。練習ラウンドを終えた今野忠廣は、そう話した。セーターを着込んでのプレーだったが、予想に反して寒くはなかったようだ。宮城県の仙台市を拠点にレッスン活動を行っている今野は、2004年からジュニアレッスンを始めて17年の月日が流れた。第1期生の中にはツアーで活躍している選手もいる。今年は日本女子オープンで予選通過を果たし、上位の成績を残した選手もいる。息子の今野匠は東北福祉大学時代、ゴルフ部に在籍しレギュラーメンバーにもなった。同学年には金谷拓実がいたという。
「ジュニア生徒の募集をしたことはありません。口コミと紹介だけなのですが、現在は33人のジュニア生徒を預かっています」。月曜日から金曜日までの平日午後5時30分から7時までジュニアレッスンを行い、週末には杜の都GCの協力もああってラウンドレッスンを実施している。「練習場ではゴルフの基本を、コースでは応用を、と考えています。ただゴルフを上達させるのではなく、ゴルフを通じて立派な社会人になって欲しい。その思いが根底にあります。ですから礼儀や挨拶には特に厳しいんです、声出しの練習もあるくらいですからね(笑)」。
今野は2005、12年の2回、ティーチングプロ選手権を制している。シニア入り後はタイトルを手にしていない。「勝ちたいです。でも、その思いばかりでは叶わないことを知っています。週末は自分の練習に時間を費やしていますが、週二日では足りませんよね。静ヒルズのグリーンは18ホールそれぞれ個性があり、ピン位置によっては難易度がさらに高まると思います。マネジメント力がスコアに結びつくはず。まずは自分のゴルフスタイルで挑みます」。大会出場のため、ジュニアレッスンは4日間欠席となる「先生」は、悲願のティーチングプロシニア制覇に挑む。「(ジュニア)生徒たちが喜ぶお土産(優勝)を持って帰りたいんです」。今野の本音が取材インタビュー最後に飛び出した。