2007、08年のPGAプロゴルフシニア選手権をはじめ、15年と16年にはPGAティーチングプロ選手権を開催して来た実績を持つ茨城県の静ヒルズカントリークラブ。昨年に続いてPGAティーチングプロシニア選手権が今年も行われる。17、18年に続いて2度目の2年連続開催だ。例年とは異なり、今年9月には日本女子プロゴルフ選手権の大会舞台にもなっていただけに、メジャー大会終了後から1カ月半で再びコースコンディションを整備するため全力を注いで来たという。
季節柄、芝は枯れ始めるが「コースの良し悪しは、まずグリーンコンディションで決まると言っても過言ではないでしょう。コース管理スタッフはグリーンを整えるために、いつも以上に精力的だったと思います。選手権の舞台としてグリーンスピードが最適な状態になるよう努めました。日程的に厳しかったものの、何とか仕上がったと思います」。同クラブの菊池武彦支配人は安堵の表情を浮かべながらそう話した。「雨の悪天候でも対応できるようにコースを整えたつもりなので、明日からの本戦では選手のみなさんに思う存分実力を発揮して頂きたいです」と付け加えた。
これまでティーチングプロ選手権を4回開催した実績が、コロナ禍でのゴルファー誘致に役立ったという。「選手権に出場した選手の方々が、ラウンドレッスンにも最適なコースとして生徒さんを連れて来場頂くケースが少なくありませんでした。本当に有り難いことで、感謝しています」。練習場打席9打席を手直しし、全20打席を屋根付きにした他に、飛距離計測装置「トラックマン」を設置したプライベートルームを設け、またアプローチやバンカーショット練習場、9ホールのパー3コースの整備にも尽力して来た。「コロナ禍でコンペ開催は減った一方で、プライベートゴルファーが戻って来たり増えたりしています。他コースとの差別化を図るためにゴルフ合宿にも対応できるようトレーニングを新たに設置し、コース併設のホテルでリモートワークができるプランも作りました。空き時間にゴルフを楽しめるのが魅力で、好評を頂いています」。
コロナ禍での来場者「減」をいかに「増」にするかのアイデアを捻り出し、実践する。ピンチをチャンスに変える努力を怠らない。10月29日からはコース内でキャンプを楽しめるイベント(4組/1組4人)をスタートさせる。「非日常の空間をエンジョイして頂ければ幸いです。手ぶらで楽しめるようにスノーピークのキャンプ用品をレンタル致します。コース内でバーべキューも出来ますよ」。菊地支配人は新規顧客の開拓に熱心だ。そんな熱血支配人の意気込みが大会舞台作りにも注入されている。舞台は仕上がった。2日間にわたる選手たちの熱いプレーを待つばかりだ。