「満身創痍で挑んだ最終ラウンドでした」と切り出したのは、レギュラー5勝、シニア2勝を挙げているベテラン選手の髙見和宏(62)。2017年に賞金シードを落として以降、これまでシニア最終予選会に3回出場した。中でも今回は一番、肉体的にも精神的にも辛かったという。「今朝、座骨神経痛を発症してしまって・・・。身体を酷使しているのと、気温が急に下がったこともあると思うのですが、こんなタイミングで強い痛みと向き合わなければならない状況だったのです」。
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最終ラウンドは3オーバー9位タイからのスタート。2番パー3では173ヤードを7番アイアンでピタリ着けてバーディー奪取。4番パー4で2つ目のバーディーを獲ったが、「ずっと痛みと向き合っていたから、無我夢中でね。実は内容思い出せないんですよ」と苦笑い。毎ホールこなすのに必死だった。
後半10番パー5では3打目をグリーンカラーから寄せて3つ目のバーディー。得意の16番パー5ホールでもバーディーを重ねて、終わってみればノーボギーと完璧なプレーで68ストローク、通算1アンダー4位で終えることができた。
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痛みをこらえながら、何度も心が折れそうになりながらも、4バーディーボギーフリーで見事なラウンド。そのモチベーションはどこにあるのだろう。
「これまでの人生はトーナメントに出場し続けてきました。試合では、ファンやスポンサーの方々と一緒にゴルフを楽しめますし、喜んでもらうことができる。これからも挑戦し続けたいのです」と意欲をみせる。満身創痍で挑んだ最終ラウンドを乗り越え、ようやく100点満点を自分に付けられた。今季もコースには、ベテラン高見の明るい笑顔が満開に咲くことだろう。
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