関西プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権大会が、5月18日、19日の2日間、くまもと阿蘇カントリークラブ湯の谷コースで開催する。68歳以上のプロゴルファー以上のプロゴルファーが競うゴールドシニアには36名、60歳以上のプロゴルファーが競うグランドシニアには49名が出場する。
会場となるくまもと阿蘇カントリークラブ湯の谷コースは昭和27年に開場し、熊本県では最古のゴルフ場となる。9ホールで開場したが、18ホールに増設することになった時に、巨匠・井上誠一氏が監修を行った。コースは適度なアップダウンが戦略性を高める山岳タイプとなっており、ショットの距離感、そしてグリーンは阿蘇山からの芝目で、選手たちを悩ませることが予想される。
昨年ゴールドシニアを制した中村彰男(70)はこのコース初めてプレーした。「フジサンケイを開催している川奈GC大島Cみたいに、自然の地形を生かしたすばらしいコースだね」。阿蘇中岳の麓にあるコースからは美しい風景が見え、出場選手からは絶賛する声も多い。
「プレーヤーとしては難しいね。グリーンの芝目も読みにくいし、距離感も掴みにくいね」。多くのコースを経験してきているゴールドシニアの選手でも、阿蘇山そして井上誠一の攻略には苦労しているようだ。
「実は1週間前から持病の影響で少し体調が良くないんです」。中村は3年前に大動脈弁閉鎖不全症と左心室肥大を患った。今でも薬は飲んでおり、ゴルフは月に1、2度しかしていないという。「体力的に持つかなというところもあるけど、大会に出場することで、ゴルフができる楽しさ、多くの仲間に会える嬉しいんだよね」。試合に出場できる喜びこそが中村にとって、3日間乗り越えられる原動力なのかもしれない。そして、今年もこの大会に戻ってくれて、楽しいゴルフができることが一番のようだ。
コメントを聞きに行った時、「あっディフェンディングチャンピオンなんだよね(笑)」。そんな言葉からも自然体な気持ちが感じられた。中村にとって優勝の道筋はゴルフを楽しむことなのかもしれない。