今年3月に宮崎で行われたシニア最終予選会には、最高齢の71歳で出場しており、調子は悪くない。シニアツアーに出場できる順位ではないものの、今は大好きなゴルフが続けられるというモチベーションがある。大野は関東ゴールドに焦点を当てて練習を重ねてきた。5バーディー2ボギー、3アンダー69ストロークで第1ラウンドを終え、海老原清治、横島由一と並んで首位に立った大野雅幸(71)。
名門コースには、パープレーを守るため教科書通りと言われる正規ルートがある。大野はルート攻略のために、ホールごとにテーマを持って挑んだ。「ドライバーショットはなるべく封印していました。どうしても距離を稼ぎたいと思うのですが、ここは正確性が重視されるコースなので、3番ウッドに持ち替えました。とにかくフェアウェイにボールを置くこと。セカンドはコントロールできる距離に置くことを鉄則にしました。グリーンが硬いので、手前から攻めることも必要です」と振り返る。4番、13番といずれもパー5ホールでボギーを叩いてしまったのは、3パットが原因。それ以外は、すべて作戦通りにうまくはまった結果、5つのバーディーを奪取したのだった。
大野は所属コースがある千葉のレインボーヒルズCCで毎日2時間パッティングの練習と、年齢の数だけスクワットすることは欠かさない。今のゴルフレベルを下げないよう、維持するために、自分ができる最大の練習内容だという。そして試合にエントリーすることで、また新しい目標に向き合える。「試合は気持ちの問題。試合では毎回新しい発見がある。参加することには必ず意義があるんです」と口元を引き締める。
そして、最終日最終組という機会を実力で作り上げた。「有名な方とプレーができるだなんて、本当に光栄です。これがゴールドシニアの魅力ですね。緊張すると思いますが、目標はパープレーです」。大舞台に挑む大野の戦いに注目したい。