4月に開幕した国内シニアツアーが今週の「いわさき白露シニアゴルフトーナメント」で最終戦を迎える。賞金ランキングトップを走る現在6連勝中のプラヤド・マークセン(タイ)の4年ぶり4度目の賞金王は確定。誰が7連勝にストップをかけられるのかが注目される。
前年覇者は、今季「ファンケルクラシック」でシニアツアー通算6勝目を挙げた鈴木亨。今大会は18年に続く2勝目だった。さらに遡ると、2000年にはいぶすきゴルフクラブで行われていた「カシオワールドオープン」も制しており、「やっぱりここはいいですね。夜の食事もおいしいし、ストレスフリーです」と鹿児島県でも南の端に位置する同会場で3勝と相性がいい。
「僕はツアー外競技だけど旭川オープンも3回勝っていて、いぶすきでも3勝。北と南でお世話になっているなという思いを抱きながら、今年も南に来たぞーっていうイメージです」と笑う。相性の良さについては、「レギュラーツアーでやっていたコースですし、19年には日本プロもやっている。そういう意味で長年ツアーを出続けた人間にとってはレギュラーの延長でできるやりやすいコースだと思う。『あそこに行ったらダメ』というより、ボールをどこに落として、どうやって攻めるかに集中できる。だからやりやすいのかな」と説明する。
昨年と今年はまったく気持ちの持ち方は違う。昨年は賞金ランキング47位と、30位以内のシード圏外で迎えた。頸椎ヘルニアを煩い満身創痍のなか、「奇跡に近い優勝」を遂げた。しかし、今年は1勝を挙げて賞金ランキング5位で迎えるいぶすき。シードのことは考えなくていい。「マークセンの7連勝を阻むというのは日本人としてはある」という思いはある。
さらに、賞金ランキング4位の兼本貴司とは約460万円の差があるが、「ランキング4位で上がればアメリカに挑戦っていう欲も多少頭にはある」と語る。今シーズンの賞金ランキング4位に入れば、来年の「全米プロシニア」と「全米シニアオープン」の海外メジャーへの出場権が得られるのだ。逆転には2位以上が目安となる。
そんななか、鈴木は今年楽しみにしている試合がもう1つある。12月11日に開催される男子ツアー、女子ツアー、シニアツアーの対抗戦、「Hitachi 3Tours Championship」に初めて出場するのだ。
「昔だったら女子プロと回れるのが楽しみだったけど」と笑いつつ、「いまは(男子の)若手の飛距離を見てみたいと率直に思いますね。3ツアーズは飛ばし屋の子たちと回って、カルチャーショックというか、そういう気持ちになれるとまた変わると思う。年を取れば取るほどもっともっと上手くなりたい、ゴルファーとして成長したいという思いがある。なかなかレギュラーには行けないですけど、自分が上手くなったなと実感できることが何回かあればいい」
今年、人気テレビ番組の『ゴルフサバイバル 男祭2022』では、19歳の久常涼や24歳の岩崎亜久竜らレギュラーツアーを賑わせる若手に交じって出演し、56歳が最後まで勝ち上がって優勝を果たした。ゴルフができる喜び、そして枯れないゴルフへの情熱を持って連覇に挑む。