田村尚之（５８）がボギーなしの４アンダー６８で回り、通算５アンダーに伸ばして３位に食い込んだ。
「久しぶりにいいゴルフができました。今年はとにかくパッティングが悪くて、どこを向いているもわからず何をやってもだめだった」という。今回は１３フィートという、シニアツアーでは屈指の速いグリーンに各選手が苦しんだが、逆に「転がってくれるのがよかった」という。ボールに線を書いて読んだラインに合わせていたのを「今回は線を合わせるのをやめたら入った。今までやってきたのは何だったんだろう」と苦笑いした。
ショットは好調で、９番、１０番でＯＫにつけるバーディー。１１番では手前に外したが１５ヤードをチップインと３連続バーディーで一気に浮上した。１５番パー５でも第３打を１メートルに寄せてこの日４バーディーを奪った。
この大会前までは賞金ランク４２位で、賞金ランク上位３０人の来季シード権獲得に赤信号、振り返れば最終予選会から出場できるランク５０位以内も黄信号、という状態だった。「このところ物忘れが多くて、ウエッジをグリーン周りに置いてきちゃうこともあったぐらい、忘れ物がひどくなっていた」という。精神面での治療を受けて、少し集中できるようになってきたそうだ。
この３位で、賞金ランクは３５位に上がった。今季ツアーも残すは最終戦いわさき白露シニアだけ。まだシード権獲得には黄信号だが「最終戦に可能性を残せた。会場（いぶすきＧＣ開聞Ｃ）は最終予選会の会場でもあるし、パッティングに光が見えてきたので」と。明るい表情になっていた。
