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シニアツアー

〔福岡シニアOP/FR〕2位の藤田寛之、あと一歩のところで賞金王のチャンス逃す

2022年10月31日

 地元・福岡出身の藤田寛之(53)が首位3打差からスタートして、最終ラウンドはスコアを4つ伸ばし単独2位でフィニッシュした。今シーズンはスターツシニアの完全優勝から始まり、夏のマルハン太平洋シニアで2勝目を挙げ、その後も福岡シニアオープンまで9試合に参加し、賞金ランキング2位という活躍ぶりだった。

 最終ラウンドは1番ホールのバーディー奪取から始まり、16番まで5バーディー1ボギーと躍進。首位タイで迎えた18番パー5ホールでは4メートル弱の距離を果敢に攻めたが、ボールはカップを通り過ぎバーディーならず。後続組のマークセンが5メートルのバーディーパットを沈め、日本勢の逆転劇はお預けになってしまった。

 それでも肉薄したゲームを創り出し、最後まで盛り上げた主役は、間違いなく藤田だった。

「地元・福岡でパフォーマンスを示せたのは嬉しかったです。優勝争いができるとは、正直ギリギリまで分かりませんでしたしね」と振り返る。今回の優勝争いは、初日首位スタートの久保勝美、倉本昌弘を始め、トップと3打差以内の選手にはチャンスがあった。その中にはプラヤド・マークセンの名前もあり、追い上げるチャンスを伺っていたに違いない。藤田は「今日は谷口徹さんに、マークセンさんの勢いを止めてほしいですとお願いしたのですが、結局、誰も流れを止められなかったですね」と肩を落とし、手に届きそうだった3つ目のシニアタイトルはマークセンに奪われてしまった。

 来週のシニアツアーは、中4日を挟み「コスモヘルスシニア」が開催される。藤田はレギュラーツアーの「マイナビABCカップ」、そして翌週は「三井住友VISA太平洋マスターズ」に出場する予定だ。シニア最終戦「いわさき白露シニア」は、福岡シニアオープン終了時点で出場するかどうか決めかねているという藤田。「ずっとどうしようかなと考えています。この状況だと賞金王も難しいですし、当週のCASIOワールドカップを選択するかどうか悩んでいます。正直、レギュラーツアーで夢も見たいのですが、コースが長く、相性もあまりよくないのが正直なところ。(エントリー締め切りまで)あと数日で結論をだします」と、口元を引き締めた。

 それでも、今季は藤田がシニアに参戦したことで、シニアツアーに注目が集まったことは確か。「成績としては非常に満足できますし、楽しみながらやれました。当初はそこまでシニアに没頭するとは思い描いていませんでしたから。スターツシニアの優勝で、シニア海外メジャー参加も視野にはいり、そこを目指しながらシニア2勝目をマルハン太平洋で挙げさせてもらって。そしたら今度は賞金王と周りから言われるようになり、プロとしては周囲の期待に応えたかった」と複雑な思いも吐露する。「一方でレギュラーツアーのシードもまだ手に入れたいという想いもあるのですが・・・来季はシニアを主戦場にしようと思っています」。今後は藤田の味ある技や立ち振る舞いが、随所で楽しめそうだ。