初日5バーディー・ボギーフリーの67をマークし、倉本昌弘とトップに並んだ久保勝美(60)。今シーズンはシード選手としてツアー全試合に出場しているが、賞金ランキングが35位とシード圏内(30位まで)まであと一歩のところにいる。
今シーズンのトップ10入りは「すまいーだカップシニア」3位の1回のみ。これまで全11試合に出場して予選落ちもしていないが、目立った成績も残せていない。その理由は「パッティングが打ち切れない」ことだという。「読み通りに打ててないんです。ライン読めず、乱視と老眼が重なり、どうしたらいいんだか」と苦労しているようだ。
イン10番ホールからスタートし、13番から3連続バーディー、さらに17番でもバーディーを決めてトップに抜け出した。このうち2つはショットも切れてOKバーディーと好調だった。バックナインでは4番パー5でもスコアを1つ伸ばした。唯一ピンチは8番ホールで「ボギーでもいい」と割り切った4メートルのパーパットを沈められた。パッティングに不安を抱えた中でも久保は初日トップに立ち、自分の流れをつくりだせた。
今年9月のコマツオープンで、前年覇者の井戸木鴻樹が怪我のためプロアマ戦を欠場することになり、代役で久保が出場することになったのだが、プロアマ戦当日は井戸木が「プレーはできないけど、同組でアマチュアのレッスンをさせてほしい」と久保組に同行することになり、アマチュアにとってはプロ2名が入った夢の組み合わせが実現した。
プロアマ戦のグリーン上で、久保がアマチュアにラインを読んであげていると、井戸木が「違う、違う」と久保とは逆のラインを示したという。実際、井戸木の示したラインが正しい切れ方で、久保は何度も続くグリーンリーディングミスに、焦りを覚えた。プロアマ後、井戸木にラインの見え方を確認してもらったところ、それまで見て信じたラインが違っていた。自信がないので、スムーズな動きができないため、パットが打ち切れないことも分かった。それからはパッティング練習に精を出しているものの、好成績にはつながっていない。
「今回もカップ1個半くらいにターゲットをセットしているんですけどね、引っかけて打ってしまったのがまっすぐ入ったりして、そんなのが2ホール続いたり。結果オーライがありました。ただ、謙虚に行ったのが良かったのかもしれません」。久保はパッティングの精度をさらに上げ、賞金ランキングシードを確定させたい。この好調子でいけば、2015年金秀シニア以来のシニア2勝目も現実味を帯びてくる。