「第6回福岡シニアオープンゴルフトーナメント」が、福岡カントリー倶楽部和白コースで10月29、30日の2日間大会として開催される。大会はプロ70名、スーパーシニア12名、アマ45名の127名が参加。シニアの部(6,588ヤード/パー72)ではディフェンディングチャンピオン篠崎紀夫(53)をはじめ、倉本昌弘(67)、水巻善典(64)、伊澤利光(54)、地元福岡出身の藤田寛之(53)といったベテラン選手が勢ぞろい。スーパーシニアの部(6,077ヤード/パー72)では海老原清治(73)、友利勝良(68)らが参加する。
1952年(昭和27年)に開場した福岡カンツリー倶楽部和白コースは、今年で開場70周年を迎える。自然の地形を利用したコースで高低差もあり、距離感がつかみづらい。さらにそびえたつ木々のすきまを抜ける風は上空と向きが変わることもあり、砲台グリーンが選手たちの頭を悩ませる。
出場選手の中でも福岡出身といえば藤田寛之の名前があがる。コースから15分程の距離に藤田の実家があり、コースを熟知しているのかと思いきや「実は、昨日初めて来場したんですよね」と意外な発言。「近いんですけどね、高校までは違うコースで練習とか試合に出ていましたし、卒業後に大学進学のために福岡を出てしまってからは、プレーする機会がなくて。ですからシニアになってようやくプレーできたので、不思議な縁だなって」。藤田は昨日、同級生の篠崎紀夫と塚田好宣と練習ラウンドを行い、ショット調子を確かめながらコースをチェックした。「高低差がありますし、なかなかトリッキーですよね。」と、苦笑い。それでも「トーナメントに相応しいコースですし、シニア参加は今回で終わりかもしれませんし・・・最終戦にエントリーするかどうかまだ決めかねています。よいプレーで良い成績で終えられたら、またひとつ新しい選択をすると思います」と藤田は福岡シニアを分水嶺としてとらえているようだ。
しかし藤田には、シーズン当初から不安を抱えていることも事実。「下からフックに入ってしまってからフェードで球を捉えているんですよね。自分のベースはフェードですし、絶対に崩したくないところ。毎週手探りで修正をしながらって感じなんですよね」。武器のフェードが安定していないことが気がかりである。
6月のスターツシニアで優勝後、8月のマルハン太平洋シニアで2勝目を挙げてからは、藤田の前にはプラヤド・マークセンが立ちはだかる。賞金ランキング1位の座も日本プロシニアで逆転され、現在マークセンとの差は約1000万円。単純に優勝賞金だけを考えると、福岡シニアが700万円、コスモヘルスが540万円、いわさき白露シニアが1200万円と、マークセンの順位次第ではあるが、上位フィニッシュを重ねれば、逆転のチャンスは充分にある。
「マークセンさんは、仕上がってきた自分のゴルフをしているだけなんですよね。だからその結果、偉業であれば褒めるしかないかな」と、ライバルの状況を冷静に見ている。「ただ、今はその位置で自分が堂々と戦っていない状況がすごく歯がゆいんです。ゴルフってうまくいかないスポーツですからね」。地元・福岡の試合ということもあり、同級生や親せき、家族が応援に駆け付けるだろう。声援を力に変えることができる大会。藤田の軌道修正が楽しみになってきた。