プラヤド・マークセン(56)が、シニアツアー史上初の4試合連続優勝を飾った。序盤ボギーが先行して後続に抜かれたが、12番のチップイン・イーグルで抜け出し、通算12アンダーで2位に3打差をつけて優勝。今季4勝目、通算19勝目を挙げた。2位には渡部光洋(50)が食い込んだ。
勝負どころは逃さなかった。8アンダーで首位に並んでいた9番。グリーン手前にショートしたが、20ヤードほどの第3打を直接放り込んだ。珍しく、ガッツポーズを繰り返す。
折り返した10番パー5で1つ抜け出した後、12番パー5。第1打で手前のバンカーに打ち込んだが、15ヤードをチップイン・イーグルに仕留めた。12アンダーにスコアを伸ばした時点で優勝と思ったのでは?「うん!」。そこからは無理せず、パーを重ねての4試合連続優勝だった。
不安はあった。前日、ショットした時に痛めた左のふくらはぎ。前夜はホテルで冷やし、来日中のサオ夫人にマッサージをしてもらった。差し入れてもらった湿布薬を張っての最終日。「歩くとちょっと痛いけど、スイングは大丈夫」と、スタート前に話していた。
1番で右の林に打ち込んで、ボギーでスタートした。2番でも右の土手に打ち込んだ。踏ん張れない左ふくらはぎの状態は、口で言うほどよくはないと感じさせた。それでも、グリーン手前からのアプローチでパーにしのいでからは、徐々に安定感を増していった。「確かに左足は痛かった。特に上りはつらいんで、ゆっくりと歩きました」という。今大会はカートの乗り入れができたのも味方したのかもしれない。
6番で7メートルほどのバーディーパットが入ったあたりから、気持ちが痛さに勝ってきたのだろう。8番パー5では2オンに成功させるなど、ショットに力強さも戻ってきた。
日本シニアオープンから始まったこの4試合連続優勝、パッティングの好調が支えていたという。パターを替え、スタンスを広げるアドレスにしてから「自信を持って打てるようになった」という。
今後は、シニアツアー2試合に出場後、インドネシアでのアジアンツアーに参加し、また来日してシニアツアー最終戦いわさき白露シニアへの出場を予定している。1位になっている賞金ランクは、今大会で4661万4966円となり、2位の藤田寛之に約1000万円の差をつけた。
5試合連続優勝への自信はどうだろう。「次(福岡シニアオープン)は2日間大会なので、初日にいいスコアなら勝てるかもしれない」。まさに「手がつけられない」強さを見せるマークセン。止まるのはいつか、そして止めるのはだれだろうか。
(オフィシャルライター・赤坂厚)