今季シニアツアーは「佐世保シニア」で10戦目を数える。秋の連戦がスタートし、本大会を含めてシニアツアーは残り5戦になる。活躍に注目があつまるシニアルーキーの中で、前回の日本プロシニアでは決勝ラウンドで上位にジャンプアップした選手がいる。河井博大はカットライン上で予選通過し、第3ラウンドはいわゆる裏街道といわれる10番ホールの最終組でスタート。7バーディー1ボギーの66というスコアを叩き出して57位から一気に13位へ浮上した。
「あの時は・・・ただ背水の陣という気持ちでした。コマツオープンの練習日にコロナ陽性に罹ってしまって、いろんな方に心配をかけてしまって。焦りとかやるせない想いといった精神面の辛さが大きかったのです」と振り返る。罹患後の2週間は、ひどい倦怠感が続いた。なんとか食べられそうなうどんも2本で箸をおき、身体的にも追い詰められた。コマツオープン、日本シニアオープンと高額賞金がかかる試合の欠場を余儀なくされたのだった。「今の僕には、精一杯やるしかないんです。その時の状況判断を信じて、ワンショット、ワンショットするだけ。シニアツアーって、先輩方は楽しんでやってるイメージでしたが、ぜんぜんそんなこと、僕には無理(笑)」と河井は笑う。
シニアツアー1年目。河井は11月に誕生日を迎え51歳になる。「一年あっという間でした。一番年下ではなくなるんですよね。シニアツアーは僕が楽しませてもらっているくらいですから、ゴルフファンのみなさんにも楽しんでもらえるはず。毎回新しいコースを回らせてもらっていますが、このコースは特にフェアウェイも締まっていて、風が吹くとさらに難易度が上がる。面白いコースで、もうちょっとちゃんと回ってみたい」と、声を弾ませた。
レギュラーツアーの時と試合に挑む気持ちは変わらない。「僕は賞金シードまであといくら必要だからとか、ここはバーディーとかそういう計算はしたことがない。そういう計算するくらいなら、堂々と優勝を狙えますよ(笑)。練習も試合も一生懸命にやらせてもらっています」。試合を終えるとフラフラになるくらい全力で挑んでいるという河井。今季6試合に出場し、現在の賞金ランキングは34位につけている。ツアー後半戦でもうひとつ活躍を示したいところだ。