トップと2打差の4アンダー・2位タイでスタートした久保谷健一が、2日目も5バーディ・3ボギーの「70」とスコアを伸ばし、トップと1打差のトータル6アンダー・4位タイの好位置で最終日を迎える。
取材エリアに現れると「イライラしかない」と小さく吐き出す。「パッティングがダメだから、何にもやる気にもならなければ、前に向いていけない」。上位にいてもポジティブな言葉はなかなか出てこないのはレギュラー時代と変わらない。ルーキーとしてシニアツアーに参戦している今も、ボヤキの久保谷は健在だ。
久保谷が言うように、今日の3ボギーは全部短いパットを外している。13番パー4では8メートルに乗るも、ファーストパットが1メートルオーバーして返しも入らず3パット。17番パー4でも12メートルのバーディパットを1メートルショートして再び3パット。「1メートルがかすらないもん」。折り返して8番パー3では、ティショットをグリーン右のラフに外し、ピンサイドのアプローチを1.5メートルに寄せるも、このパーパットもカップにかすりもせずに左を通過。とにかくショートパットが入らない。
「どっちの手からわからないけど、邪魔し合って上げているみたい。1の動作が上手くいかなかったら、2も3もバラバラになっちゃう。スッと上がればそこそこ打てるんだけど、そこがもう『アーッ』ってなっちゃうともうダメ」と、数年前から悩まされている症状を表現する。
何とかしようと工夫は重ねている。初日は順手で握ってパッティングしていたが、この2日目は右手を上から添えるクロウグリップに思い切って変えた。「きのうダメだったから、きょうは違うことをやってみようと思って。どっちにしろ良いストロークのところに上がっていかないから、結局ダメなんですよ」とボヤキは止まらない。
右手をクロウグリップにすると、距離感は難しくなりそうだが…。「難しいですよ。ロングパットが寄せられるかどうか分からないけど、ショートパットが外れないんじゃないかと思ったけど外れた。何をやっても一緒だなと」。ロングパットの距離感を犠牲にしてでも、ショートパットを何とかしたいと必死なのだ。
今大会では、開幕前夜に河井博大が発熱。初日の朝、会場入りする前に抗原検査を受けたところコロナ陽性が判明した。久保谷、平塚哲二、今井克宗の3人は6日夜に河合と夕食をともにしたため、濃厚接触者に認定された。久保谷ら3人は抗原検査で陰性となったため、初日は急きょ濃厚接触者だけが集められた3人で回ることとなった。
本来なら、大会2日目から成績順で組み合わせが変わるが、きょうも石川県のガイドラインで『待機期間』となっていため、抗原検査で陰性確認後、同じ3人でインスタートの2組目からラウンド。久保谷はトータル6アンダー・4位タイ、今井はトータル1アンダー・26位タイ、平塚はトータルイーブンパー・34位タイとなっている。
石川県の最新のガイドラインで『待機2日目と3日目に抗原定性検査(簡易キット)を実施していただくことで、待機時間を短縮することが可能』になったため、明朝の抗原検査で陰性が出れば、久保谷は成績通りに最終組の1つ前で回ることができる。「(2人とのラウンドは)慣れているからいいっていうもあるけど、そこそこ良い組に入ったほうが気持ちを新たにできるかなと思います」。このままなら明日の最終日は優勝争いの緊張のなかで回ることができそうだ。