8月に72歳を迎え、本大会最高齢で出場している高橋勝成が、第1ラウンドを4バーディー1ボギー・69ストロークで回り、エージシュートを達成した。第1ラウンドを7位タイと上位争いに食い込み、ベテランシニアプロとしてのオーラをいかんなく発揮した。
相性のいい小松カントリークラブ、そしてコマツオープン。2001年に片山津ゴルフクラブで開かれたコマツオープン大会覇者でもあり、大会が再開された2007年以降、休むことなく出場を続けている。2010年大会に単独3位が大会最高位だが、2019年、2021年に2度ずつエージシュートを達成するという偉業も達成している。自身25回目となるシニアツアーエージシュートでもある。今年はノジマシニア(1R71歳71S)、ファンケルクラシック(FR72歳71S)で記録を打ち出し、シニアツアーでは話題に欠かせない中心選手である。
第1ラウンドのスタート組合せは62歳・芹澤信雄、シニアルーキー50歳の横田真一。横田とは22歳差で、髙橋にとって22年分という大きなキャリアの差がアドバンテージになる。本日のハイライトは6番パー4。左に向かっていったティーショットはわずかの距離でOB。打ち直しに戻り3番ウッドでフェアウェイを捉え、残り113ヤードをピッチングでピン奥5メートルにつけ、上からのパッティングを丁寧に沈めボギーで抑えた。69ストロークという結果に「コースがウェルカムしてくれたのかもしれませんね」と微笑んだ。
出場選手の中で誰よりもコースを知っているのが髙橋。コマツオープンは2007年から舞台を小松カントリーに移しているが、歴代チャンピオンとして欠場することなく全てのコマツオープンで出場を果たしている鉄人が頭角を現したのだった。
今は練習量というよりも、じっくりと身体の状態に向き合いながら、練習を重ねている。練習仲間には寺西明、中山正芳、細川和彦が揃い「チーム髙橋」という看板の下で、毎試合切磋琢磨しながらシーズンを過ごしている。「練習ラウンドでは40~60ヤードも置いていかれちゃうんですよ。みんな本当に真面目。だけどね、そこには笑いがあって気持ちが良い雰囲気なんです。仲間との楽しい時間でエネルギーを充填させてもらってるんです」。凌ぎを削る以外にも、互いを思いやる気持ちで満たされているようだ。
「こうやってエージシュートができるのは、自分に合ったクラブやボールに出会えたおかげです。周囲のサポートに本当に感謝しています。あとは石川小松の食事が最高!私にとってゴルフ以外にも魅力がたくさん詰まっているコマツオープンなんですよ」。笑顔で大会を語る一方で、満身創痍で戦っていることも事実。右股関節がスムーズに動かずに辛い日々を送っていたが、少しずつある程度の動きを得られるようになったという。髙橋はゴルフができる幸せを噛み締めながら、今年のコマツオープンを戦い抜く。