今季シニアツアー第7戦「
コマツオープン2022
」が、石川県小松市にある小松カントリークラブで9月8日から10日の3日間開催される。前回覇者の井戸木鴻樹(60)をはじめ髙橋勝成(72)、倉本昌弘(66)、尾崎健夫(68)、深堀圭一郎(52)、そしてレギュラーツアー12勝を挙げている宮本勝昌が8月28日に50歳の誕生日を迎え、本大会でシニアデビューを飾る。シニアプロ76名、アマチュア3名が参加する。
昨年大会では井戸木鴻樹と清水洋一とつばぜり合いを繰り広げた。清水が1打リードして迎えた最終日の16番パー3では、井戸木がバンカーからチップインバーディ、清水が3パットのボギーとして、逃げる立場と追う立場が入れ替わった。17、18番でもバーディを奪った井戸木が、終盤の逆転で栄冠を手にしている。
「自分のゴルフに集中できたのが良かったかな。一緒に回った清水がボコボコ入れていいゴルフをしていましたので、それについていこうという気持ちだけで、別に優勝は意識していなかった。結果的に優勝できて良かったです」と、最終日にボギーフリーの「65」をマークした昨年大会を振り返る。
さらに「ここはもともと好きな感じのコース」と語る。具体的に聞くと、「距離もそんなに長くないし、みんなは『狭い狭い』って言いますけど、僕はそんなに狭いとは思わない。だからやりやすいかなって」という答えが返ってきた。
会場の小松カントリークラブのフェアウェイはそこまで狭くないが、コースの幅自体が狭く、ティショットにはプレッシャーがかかる。井戸木はレギュラーツアーで活躍していた01年~09年までの9年間で、フェアウェイキープ率1位を5回獲得した日本一曲がらない男。飛距離は出る方ではないが、その正確なドライバーショットを武器に、13年には海外シニアメジャーの「全米プロシニア」を制している。ドライバーの精度に自信があるからこそ、小松CCの狭さはあまり気にならないのだろう。
それでも今大会では、過去9回出場して、昨年の優勝が1回、7位と8位が1回ずつあるだけで、抜群の成績を残しているわけではない。「いつもいいゴルフはしているんですけど、まったくこのグリーンは入らなかったんです。それが去年はタッチが合いだして入りましたね。今年も良い感じでパッティングできている」。昨年大会では、初日に5個、2日目に6個、最終日に7個のバーディを奪うなど、このコースのグリーン上でのパフォーマンスは、昨年を境に高くなってきている。
『狙うは連覇』と思いきや、「ドベにならないように頑張ります」と冗談っぽくいう。そのあとで「自分のゴルフを3日間、いいのもあるし悪いのもあると思うんですけども、その辺集中切らさないで最後までできたら、そこそこ行けるんじゃないかと思います」と自信をのぞかせた。
昨シーズン3勝を挙げた井戸木だが、11月には61歳になる。今シーズンは出場3試合で2勝を挙げた53歳の藤田寛之が賞金ランキングトップを走り、今大会にはレギュラーツアー通算12勝の50歳になったばかりの宮本勝昌がシニアデビューする。「元気でピチピチな選手ばっかりですけど、ゴルフは何があるかわからんのでね。どんな選手が来ても、自分のゴルフは変えないで、最後まで通していきたい」と、まだまだ若手に簡単に勝たせる気はない。