第1ラウンドを終えて6人が首位に並ぶ大混戦。シニアデビュー戦の横尾要をはじめ、50代前半の選手が目立つ中、今年11月に60歳を迎える、シニアツアー7勝の中堅・崎山武志も名前を連ねている。
出だしの1番、2番でともに10メートルから3パットのボギー発進。「太平洋さん(グリーンが)速いっていう先入観があります。夏の時期は短く刈れないとか練習もしているので分かっているんですけど、“太平洋”っていう名前だけで速いイメージが抜けなかった」と、グリーンの速さを警戒してファーストパットはともに2.5メートルショートする出だしだった。
3番以降は、カップをオーバーさせることだけを考えた。「入れたいとかラインに乗せたいとか思わず、打つことを意識してラインを読んだのでそれがよかった」。意識改革がうまくいき、3番で2メートルを沈めたのを皮切りに、18番までに6つのバーディーを奪い、6バーディー2ボギーの「68」をマークし、久しぶりの好位置につけた。
2013年にシニア入りした崎山は、初年度から賞金シードを獲得。15年には4勝、16年には2勝を挙げて2年連続で賞金ランキング2位に入っている。今も賞金シード権を保持しているが、シニアツアー優勝は16年が最後だ。
今季は5試合に出場して先週の「ファンケルクラシック」11位タイが最高で賞金ランキングは38位。「先週もショットはよかったけどパットが…。今年は全部パットですね。全体的によかったところはない。ストロークを気にしすぎてバーディチャンスをショートが多かった」と振り返る。
この日の3番以降は、今年の嫌な思いを払拭するラウンドといえる。「今日は1番、2番以外は完璧。久しぶりにいいラウンドができました」とグリーン上はカップをオーバーする意識が大きな手応えとなっている。
シニアプロでスコアが伸び悩む人の多くは、ショットではなくパッティングの不安が大きいといわれる。「シニアはパッティングで悩む人が多い。入るか入らないかですからね」とショットのミスはリカバリーできるが、パットのミスはスコアに直結する。それだけに悩みになりやすい。「明日もカップオーバーの気持ちでできたら面白いかなと思います」。久しぶりにいい感触でラウンドできたことで、6年ぶりの優勝も視野に入ってきた。
先月には4人目の孫が誕生した。「家に帰れていないのでまだ顔を見れていないんだけど、明日家に帰るので4人の孫に会いにいきます。いいお土産を持って帰りたいですね。18ホール回ってのお楽しみです」と柔らかい表情でコースを後にした。