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シニアツアー

〈マルハン太平洋シニア/1R〉立山光広は思い出深いコースで首位タイスタート

2022年08月27日

 昨年の「日本プロシニア選手権」でシニア初優勝を遂げた立山光広が、6バーディ・1ダブルボギーの「68」をマークして、6人が並ぶ首位タイで滑り出した。

「14番のダブルボギーは、若いね~」。前半からパッティングが冴えて4つ伸ばして迎えた14番パー4。1打目を左の林に曲げると「小さい隙間があった」と果敢に2オンを狙った。ボールは狙い通りの隙間を通り抜けたが、「何も当たらなかったのに、池に落ちました」。方向性はよかったが距離が足りずにグリーン手前の池につかまってダブルボギー。「横に出して、しっかりパーパットを打てるようにすればよかった」と反省するも、攻撃的なスタイルが持ち味の立山らしい“ダブルボギー”といえる。

 今大会の開催コース、太平洋クラブ御殿場コースは立山にとって思い出深いコースである。

 レギュラーツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」を開催しており、2005年大会で立山は、当時世界ランキング20位のダレン・クラークと優勝争いを繰り広げた。

 首位と3打差で最終日を迎えたが、スコアを伸ばした立山は17番を終えて首位のクラークと1打差に迫っていた。逆転Vを狙った18番パー5のピンはグリーンの奥。2オンを狙った立山のボールは、グリーン奥にこぼれて左足下がりのライに止まった。難しいライからサンドウェッジで低く打ち出してスピンのかかるボールを打って、あわやチップインイーグルの妙技を見せた。結果的にバーディで2位に終わったが、大会を大いに盛り上げた。

 17年前の記憶は立山も鮮明に覚えている。「いろんなことを思い出しちゃうの。16番もさ…」。この日の16番パー4では、残り距離、ピン位置、アゲンストの風と状況が17年前とほとんど同じだった。「17年前は7番アイアンで打ったら奥のバンカーまで飛んじゃって。

 奥はダメなのに。今日は6番アイアンで打って25ヤードぐらいショート。奥を嫌がって緩んだとしても40ヤードぐらい違うんだから」。パーをセーブして事なきを得たが、17年前との飛距離の差には少しショックを受けた。

 

 ピンが奥に切られた18番パー5では、2オンを狙ったボールはカップをかすめてグリーン奥の左足下がりのライに止まった。「俺のボールはあそこにしかいかないのかって思ったし(笑)」。17年前のようにウェッジでと思わせたが、初日ということもあり、「根性がなかった」と“安全”にパターで3.5メートルに乗せた。14番では無謀な攻めでスコアを落としたが、ここでは冷静にバーディフィニッシュとなった。

 今季はここまで5戦して開幕戦の「金秀シニア」の33位タイが最高だが、「序盤の成績は気にしていない」。序盤戦はひと月に1試合程度に感覚で行われていたが、試合を重ねるごとに調整をする立山にとっては、試合が続く夏場以降に本腰を入れる。

 「ショットは大したことなかったけど、なんとかパーオンしていた感じ。パッティングがよかったです。本調子はこれからです。シニアオープンに向けてがんばります。明日はこっそり、トップ10を目指してがんばります」。若い頃の攻めの姿勢を持ちつつ、冷静な判断もできる。思い出深いコースで虎視眈々と2勝目を狙う。