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シニアツアー

【スターツシニア/1R】5年前からシニアに向けて準備してきた飯島宏明 “女王”と同じパターで1差4位

2022年06月17日

 51歳の飯島宏明は昨年、シニアツアーの賞金ランキングで19位に入り、上位30位以内に与えられるシード権を獲得。今年はシニア2年目を迎えている。そんな飯島が8バーディ・1ボギーの「65」をマークし、トップと1打差の7アンダー・4位タイの好発進を決めた。



 シニア入りした昨年から使い始めたのは、昨季の賞金女王・稲見萌寧と同じテーラーメイドの『トラスTB1トラスヒール』。女子ツアーと市場で大人気となったいわゆる初代『トラス』パターだ。「シニアに出る前に手元にあって、変な形だなと思っていて。そうしたら稲見萌寧ちゃんが使い始めた。俺も持っていると思って使い始めて、ずっといいですね」と、この日もパットが好調。



 インからスタートして次々とバーディパットを沈めると、終盤の8番では奥からのアプローチが8メートルオーバーするピンチもパーでしのいだ。そして最後の9番ホールでは約20ヤードのバンカーショットがキャリーで入ってバーディ。「神がかっていた」と最後の2ホールを振り返る。



 女子に人気の『トラス』も、男子ツアーでは使っている選手はほとんどいない。アマチュアの中島啓太(日体大4年)が使っているくらい。飯島はどこが気に入っているのか。「新しいのは丸みを帯びているんですけど、僕は初代の角張っているのが好き。構えやすいんです。三角のネックで強いので全体的に当たり負けしないパターだと思います。それでしっかりヒットできる感じはある」と飯島は話す。

 



 レギュラーツアーでは優勝もシード獲得もできなかった飯島だが、シニアデビューの5年前から、シニアツアーを見据えてゴルフに集中できる環境を整え、練習やトレーニングに打ち込んできた。「レギュラーツアーのファイナルQTまでいって、チャレンジもずっと出て、気持ちを切らさずにやっていた」。19年のQTでは3年ぶりにファイナルの決勝ラウンドまで進んで44位。下部ツアーには、17年は8試合、18年は9試合、19年は11試合に出場して、シニアに向けて準備してきた。



 ギックリ腰という爆弾を抱えているが、それも50歳になる前から「シニアで頑張れるように故障しない体作りをしていました」と対策。いまでもストレッチは欠かさない。「秋葉さんも故障しないように、必ず朝お風呂場で運動している。ラウンドが終わってからもやっているので僕も見習っています」と、5歳年上でいつも行動を共にするシニアツアー通算5勝の秋葉真一から刺激をもらっている。

 


 レギュラーツアーで果たせていない優勝へ。昨年は「日本シニアオープン」で3位、今年は「ノジマチャンピオンカップ箱根 シニアプロゴルフトーナメント」で4位に入るなど、優勝を予感させる風は吹いている。飯島は「優勝という思いもありますけど、ベスト10を狙ってやりますよ」と意気込みは控えめ。「最終日いい位置にいてチャンスがあれば狙っていきたい」とマイペースで残り2日36ホールをプレーする。