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シニアツアー

【スターツシニア/大会前日】昨年大会覇者・谷口はレギュラーの掛け持ち連戦疲れも「すごく楽しい」

2022年06月16日

 今季シニアツアー4戦目「

第22回スターツシニアゴルフトーナメント

」が明日17日から19日の3日間、茨城県笠間市にあるスターツ笠間ゴルフ倶楽部(6,932ヤード・パー72)で開催される。前年覇者・谷口徹(54)を筆頭に、歴代チャンピオンの尾崎直道(66)、倉本昌弘(66)、室田淳(66)、さらに藤田寛之(53)、手嶋多一(53)といったレギュラーツアーでも活躍中の選手など総勢76名が参戦する。

 レギュラーツアーとシニアツアーを掛け持ちしている54歳の谷口徹。今季はここまでレギュラー7戦に出場、この「スターツシニア」でシニア3戦目となり、直近の12週間で10試合に出場と、「忙しい」ツアー生活を送っている。



 昨年のこの大会では、「65」「67」「66」と3日間トップを譲らず、トータル18アンダーで完全優勝。最終日の16番ホールまでは、トータル17アンダーでタイの強豪タワン・ウィラチャンと並んでいた。迎えた17番パー3でウィラチャンがティショットを左に引っかけたのを見て、しっかりグリーンに乗せ、バーディパットを「ねじ込んだ」。レギュラーツアーで通算20勝を挙げて、2度の賞金王に輝いた勝負強さはシニアでも健在。「最終ホールが1打差と2打差では気分が違います」。17番のバーディ、ボギーで一気に差を2打に広げて優勝した。



 ディフェンディングチャンピオンとして臨む今年は、「すごく調子が良かったのに移動したら疲れちゃった」とショットが不調気味。5月の終わりからレギュラーツアーでは、岡山、茨城、福岡と移動し、今週は再び茨城に戻ってきた。移動疲れから「更年期障害かも」と冗談を飛ばしつつ、火曜日には久保勝美、山添昌良とともに、18ホールの練習ラウンドを行った。



 山添とは同い年で、谷口が同志社大、山添が研修生だった頃から関西の同じ系列の練習場にいたことで知り合い、もう35年以上の付き合いになる。久保とは5つ年が離れているが、4月に約束した練習ラウンドがようやく実現。ときに久保と真面目にゴルフの話をしたり、ときに山添に対して「シャンクせんとってな」といつもの谷口節を飛ばし、雨が降る中でもリラックスした楽しい雰囲気のラウンドとなった。疲れているなかの18ホールにも「山添に付き合っています」と表情は明るい。



 そんな谷口は連覇に向けて、「アイアンショットとパット」をポイントに挙げる。「グリーンはアンジュレーションが結構きついから、やさしいラインばっかりに乗らない。アイアンでいいところに付けられないと3パットもある」と傾斜の強いグリーンを警戒する。



 ピンの横につけば、大きく曲がるパットを打つことになるが、「そうなったらそうなったでちゃんとやりますよ。僕はけっこう回るラインが好きなので。5、6メートルくらいだったら、上手く読めたら入るかな。真っ平らなあまり切れないグリーンより、傾斜が強いグリーンのほうが好きです」と、パターの名手はそこまで苦にしていない。谷口のエースパターはマレット型のオデッセイの『ホワイトホット#5』で、「2000年の7月から」20年以上も谷口のバッグに収まっている。あらゆるグリーンで数々の勝利を挙げてきた相棒の存在も、グリーン上に絶対の自信を持つ理由の1つだろう。



 レギュラーツアーに出場すれば、ほぼ最年長となる谷口だが、シニアツアーに来れば、まだまだ若手の部類に入る。意識は変わるのだろうか? 「シニアのほうが楽ですよ。レギュラーの若い選手と回るのとはちょっと違う。こっちに来たら若者みたいな感覚でできますから。それにいまの20代の若手はめちゃくちゃ飛ぶ。こっちに来たら飛ばないとは思わない」。



 昨年のドライビングディスタンス1位、28歳の幡地隆寛と一緒に回れば「ドッグレッグだったら80ヤードくらい離される」と、飛距離によるハンデは大きい。それでも、「あいつのセカンドはウェッジでちょんと打つだけでしたけど、僕のほうが近かったです(笑)」と、負けん気を見せる。「幡地の飛距離だったらパー67です。フロントティから回っているようなものですよ。あいつと同じところからセカンドを打ったら、『67』で回れるから毎回20アンダーやからって本人にも言っておきました。『67』で回れないなら下手なんだって」とマウントを取ることも忘れない。


 若手にいろいろと厳しいことを言っても、幡地にアプローチを教える面倒見のいい一面もある谷口。見ていて歯がゆい部分もあるのだろう。それがシニアに来れば、懐かしい顔ぶれと再び勝負に没頭できる。



 「シニアも毎年毎年、選手が増えてレベルが上がっている。コースのレストランに行けば、丸山大輔やケイちゃん(深掘圭一郎)やカッちゃん(桑原克典)がいて、イマカツ(今井克宗)もいる。3つ4つの違いは同級生みたいなもの。いまのレギュラーとはまた違いますね。シニアはすごく楽しいです」と笑顔で話す。大会連覇に向けては「優勝争いの位置に、チャンスがある位置にはいたい。じゃなかったらつまらないじゃないですか」。しっかり勝負も楽しんで優勝を目指す。