最終日、最後まで優勝争いを演じたのが、シニア3年目を迎えた野仲茂(51)。レギュラーツアー1勝を挙げており、2018年までレギュラーにほぼフル参戦していたことからも、シニア初優勝に期待がかけられている。
迎えた最終日最終組。11歳年上で同じ神奈川出身、そして高校の先輩でもある真板潔と、学年ひとつ違いで大会初日に良い雰囲気でプレーした佐藤えいちとの戦いがスタートした。野仲は4番パー3でボギーが先行したが、9番パー4で取り返し、前半イーブンパー。この時点で優勝射程圏内にいることを確認して、挑んだ10番パー3、175ヤード。野仲は6番アイアンを手にしたが、放ったボールは右45度へ飛んでいった。レギュラー時代にも経験した嫌なシャンクだった。
このホールをボギーにして以来、何かが変わりはじめてしまった。ショットは身構えてしまい、パッティングも決まらない。最終18番パー5の3打目。10番ホールと同じ残り175ヤード。5番アイアンでも良かったが、6番アイアンを選択した。10番ホールで経験したシャンクを克服したかったが、身体が恐々と反応してショットが引っかかりボールは左の池へ。締りの悪いボギーとなり、最終ラウンドはスコアを1つ落として73ストローク、通算8アンダー6位タイでフィニッシュした。
「情けないです。上位にいながら、最終日にオーバーパーなのは情けない」と、野仲は悔しさがこみ上げる。ただし収穫も得られた。「真板先輩と回ったということもあり、1ストロークを大事にしようと意識していました。我慢も必要だということは、技術的な事ではなく、精神的な部分で勉強になりました」と感じている。
野仲にもチャンスがきたシニア初優勝は、先輩に奪われてしまったが「(優勝に)足りないものを求めていくんでしょうね。最終的には、練習に練習を重ねて、自信を着けるしかないと思っています。ゴルフは不甲斐なかったですけど、いろんなことが見えて楽しかったです」と表情も明るい。
先輩の晴れ舞台を目の当たりにした野仲だが「こういう風に勝つんだよと、真板先輩に勝ち方を教わった気がします。長い一日でしたけど、こういうメンバーの中で優勝争いができて、質のいい経験値を積めました」と振り返った。次こそは自信を胸に、堂々と優勝カップを掲げる野仲の勇姿を見せてもらいたい。