3年ぶりのシード権獲得を目指すシニア通算6勝の62歳、真板潔が元気だ。首位と1打差の4位タイで出た真板は、5バーディ・1ボギーの「68」で回り、首位と2打差の3位タイ。久しぶりの最終日最終組に入った。
3番パー4でボギー先行としたが、難度1位の5番パー4で2.5メートルのバーディチャンスにつける。バーディパットを打つ前に雷雲接近による2時間22分の中断。「軽く食事ととって体を動かして、バーディパットを入れることを考えていた」と準備万端で再開を迎えるとバーディパットをきれいに沈める。これを皮切りに怒涛の5連続バーディ。「難しいホールでバーディが取れて、そのあとポンポンとリズムよくできた」とニヤリ。
「後半は普通のゴルフ。チャンスも何個かあったけど入らなかった」としたが初日に続いて「68」。2019年の「コマツオープン」以来となる初日から2日続けての60台だ。6番からは3ホール連続で1メートルにつけてのバーディだが「たまたまですよ。ナイスミスが寄っただけ」と後半伸ばせなかったこともあり、手放しでは喜ばない。
「最近は会場に来るのも嫌になるぐらいスコアが出ていなかった、頑張らないといけないので、頑張りたいですけど、どうなることやら。こんなにいい位置は4年ぶりぐらいですよ」。シニアでの優勝は2017年の「ノジマチャンピオンカップ箱根シニア」が最後。同年末に両ヒザの手術を受けて「30ヤードぐらい飛距離が落ちてしまった」ことも影響して、19年に10年守った賞金シードを失っている。今季は最終予選で17位に入って出場権を獲得している。
「(17位だと14試合中)12試合出られるかどうか。少ないチャンスをものにしたいけど、もう62だからね…」。レギュラーツアーでは1勝を挙げてシード権を15年保持。シニアでは6勝を挙げてシード権を10年保持と息の長い真板も年齢の壁にはぶち当たっている。
「もう60代ですよ。ゴルフではあんまり60台のスコアは出ない。若い人のゴルフがうらやましいですよ。もともと自信のあったパットも老眼の影響でラインが読みづらくなったり昔みたいに入らない。リズムも悪いし…」。嘆きばかりがこぼれてくるが、「体の調子がよかったらショットはなんとかなる。これでやるしかない」としっかり前を向く。
久しぶりの優勝を狙える位置もプラスに働く。「試合に出て緊張した中で回るのはプロゴルファー冥利につきます。緊張しないとつまらない。明日は緊張感の中でやれたら嬉しいですね。勝負は運ですから。運がよければ。面白くしたい」。
最終組は11歳年下で普段から行動を共にする野仲茂とシニア2年目の佐藤えいち。野仲と最終組と知ると「練習ラウンドみたいになっちゃう。口きかない。俺のボールの行方だけ見てて」というと野仲は「一生懸命しゃべりますから」と返した。勢いのある若手が相手でも、虎視眈々と頂点を目指している。