NEWS
シニアツアー

【すまいーだカップシニア/2R】首位1打差に迫るシニア3年目・野仲茂の挑戦

2022年06月03日

 レギュラーツアーで1勝を挙げ、40代後半まで第一線に身を置いていた野仲茂。「ゴルフの楽しみを感じる」というシニア3年目、シニア初優勝のチャンスが訪れた。首位と1打差の4位タイから出た野仲は5バーディ・ボギーなしの「67」で回り、通算9アンダー首位との差は1打と変わらないが順位は2位に上げた。

 「コースが自分に合っているんでしょうね。ティーショットがあまり曲がらない方なのでね」。レギュラーツアー時代、フェアウェイキープ率部門で2011年2位(63.190パーセント)、12年に3位(63.280パーセント)に入るなど、ツアーでも指折りの安定感を誇った。シニアになっても自分の武器は変わらない。「フェアウェイを外したのは2回だけ。穂がついた深いラフに入れるより、フェアウェイから打った方が楽ですから」。

 2番パー4でフェアウェイからの2打目を3メートルに寄せてバーディ先行とすると、途中雷雲接近による2時間22分の中断があったが、再開後の6番で4メートルの下りのフックラインを流し込んでバーディ。2つ伸ばして折り返した後半、10番パー3からショットでチャンスと作り出して3連続バーディ。フェアウェイとパーオンを逃したのは、わずかに2回ずつと、ピンチらしいピンチもなく、ボギーなしで1日を過ごした。

 1992年にプロ入りした野仲茂は、39歳だった2010年の「関西オープン」で涙のツアー初優勝を遂げる。2001年にレギュラーツアーの初シードを獲得し、14年までに3度のシード落ちを経験したが、48歳になった2018年までほぼフル参戦をしてきた。

 そして2年の時を経て、2020年10月に50歳となりシニアデビュー。同年に出場できたのはわずか3試合だったが、初戦の「コスモヘルスシニア」で2位タイに入るなど、賞金ランキング26位でシード権を獲得。2年連続シードを獲得した昨季は、「佐世保シニアオープン」で井戸木鴻樹にプレーオフで敗れて2位。そろそろシニアでの優勝も欲しい頃だ。

「もちろん(優勝)したいですけど、いつも気負い過ぎていいことないので、マイペースでいきたい。シニアに来て試合に出られるだけでも幸せ。今まで憧れた先輩やお世話になった先輩とまた一緒にゴルフができるのがね。欲はいいませんが、それだけでも十分です」。憧れの先輩プロと真剣勝負できるだけでなく、11歳上だが高校の先輩でレギュラーともに行動していた真板潔と再び一緒に練習ラウンドできることに喜びを感じている。

 先輩と戦うことに加えて楽しさを見出している。「レギュラーツアーは最後の方は罰ゲームみたいでしたから(笑)」と40代後半、歯を食いしばって戦っていたことを思い出す。「パワーのある20代の若い選手と回って飛距離ではおいていかれ…。コースはパー4で500ヤードあったり距離が長く、グリーンはコンクリートのように硬くて速い厳しいセッティングでしたから」と笑った。

 今週のレギュラーツアーは、お隣茨城県で公式戦「日本ゴルフツアー選手権」が開催されている。パー71で7381ヤードの設定。今大会はパー72で6867ヤード。シニアツアーは“50歳以上に優しい”セッティングだ。「レギュラーツアーでは飛ばない方でしたが、シニアに来たら真ん中ぐらい。パー4の2打目はミドルアイアンやショートアイアンで打てるから、けっこうバーディチャンスにつくんです。ゴルフが楽しいですよ」。辛抱してパーを拾うだけでなく、バーディを狙える“ゴルフ”の魅力を思い出した。

 40代後半まで第一線で腕を磨いた技術を発揮してシニアではすぐに活躍できている。「レギュラーでは優勝できると思っていなくて、優勝するまでだいぶ時間がかかったけど、もう勝てないかなと思っていたら優勝できました。明日は楽しみながらやりたいです」。レギュラーツアー時代はプロ転向後10年目に初シードを獲得、19年目に初優勝と遅咲き。

 シニアでは3年目、優勝しても決して早くはない。