前年覇者として大会連覇に挑むのが、2019年シニア賞金王のタワン・ウィラチャン(55)だ。大会前日はプラヤド・マークセン(56)と練習ラウンドをこなし、手ごたえを確かめていた。マークセンは2017年にすまいーだカップで優勝しているので、二人とも歴代優勝者にあたる。
「マークセンは、ショットの調子を上げているようでしたよ。パー5では、私は3オンがやっとなのに、マークセンは確実に2オン。いい状態で本番に挑むことができそうです」と先輩のマークセンを褒め上げる。「今日は良くても、明日はどうなるのかがわからないのがゴルフの試合。なかなか目標通りにもいきませんが、練習ラウンドを通じて去年のようなイメージが蘇ってきましたし、コースの状態も確認できました。少し安心しました」。ウィラチャンは丁寧に、そして慎重に言葉を選んで話した。
シニア2戦目のノジマチャンピオンカップを終えてから、ウィラチャンは一度タイに帰国した。地元で開催されたタイシニアツアーに2試合に参加したという。「僕が優勝した試合では、マークセンは2位。先週はマークセンが優勝したのですが、僕は5位でした」。ウィラチャンは元来の負けず嫌いということもあり、先輩に先週の借りを返したいところ。
そんなウィラチャンだが、今週から味方が傍にいる。奥様(ネーンさん)と一緒に来日が叶った。「昨日は雨だったので、一緒に買い物に出かけたり、美味しい日本のご飯を楽しみました。これからしばらく一緒にツアー生活ができるので、幸せな気持ちでいられます」。ウィラチャンが隣りにいるネーンさんを見て頬を緩ませた。
最強の味方を傍に、ウィラチャンが静かに2勝目を狙う。
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