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競技情報

〔新人戦富士可児カップ/FR〕好奇心旺盛な23歳・鈴木大哉がつかんだ新人戦タイトル

2022年12月24日

 プロテスト合格者48名による「

第24回 日本プロゴルフ新人選手権大会 富士可児カップ

」の最終ラウンド。降雪の為にトップスタートを予定より90分遅らせ、競技は計27ホールで決着することになった。首位3打差の3アンダーからスタートした鈴木大哉(フリー・23)と八太大和(フリー・23)が通算2アンダーで並びプレーオフへ。2ホール目で鈴木が7メートルのバーディーパットを沈めて新人戦優勝を飾った。鈴木には優勝賞金100万円と、来年恵庭カントリー倶楽部で行われる日本プロ選手権の出場資格が与えられた。

 好奇心旺盛な23歳・鈴木大哉。いつかやってみたいと思っていたプレーオフの機会が、新人戦でやってきた。「ドキドキとか緊張とかそういう感じもなく、自分がどんなゴルフができるのかなと。チャンスあるかな、何かあるかなって」と人生初のプレーオフは、充分に楽しんだようだ。

 通算2アンダーで八太大和と並んだプレーオフ1ホール目。10番パー4(388ヤード)はティーショットをドライバーで残り97ヤード。54度のウェッジで4メートルにつけてパーセーブ。

 2ホール目は18番パー4ホール(457ヤード)。ドライバーショットは右ラフへ。175ヤードを残し6番アイアンでグリーンをキャッチした。八太の3打目アプローチはピンに寄る。鈴木は「これで決める」と同級生の横溝武蔵キャディーとラインを確認して、意見が合致。得意のパッティングに集中し7メートルのバーディーパットを決め、鈴木は新人戦タイトルを手に入れることが出来た。

 とはいえ、最終ラウンドは終始ロングパットのタッチがつかめず、悪戦苦闘していた。風の読みが難しく、パーオンしてもグリーンの傾斜、ピン位置の計算、そして手がかじかむ寒さの中で、スコアを落とさないよう耐えるプレーが強いられた。横溝キャディーは「ロングパットのファーストパットは2メートルくらいオーバーしてましたね」と苦笑い。それでも鈴木は返しのパットを冷静に沈めて、チャンスが来るのを待ち続けた。粘り強さと自信あるパッティングが、プレーオフ2ホール目の優勝パットに繋がったのだった。

 自信あるパッティングには裏付けされた練習の量と質がある。

「ゴルフの質を良くしたい」と時間があればYoutubeでゴルフ番組を探し求め、ある時「ゴルフスイング物理学」を発見。小澤康祐先生の指導法は、鈴木にとってしっくりくる内容で、コースマネジメントやグリップの力加減といったこれまで気にしなかったことも視野に飛び込んできた。プロテスト受験時期から指導を受け、片手打ちのアプローチを中心とした練習メニューは、ショットの精度とスイングの質が良くなったと実感。ついに最終プロテスト合格という成果をあげることができた。

 今年11月のセカンドクオリファイングトーナメントを通過することができなかった悔しさもあり、「新人戦では結果を出したい」と先週の入会セミナー受講後には毎晩掛川にあるゴルフ練習場に出向きショット勘を磨いてきた。鈴木にとって「ゴルフスイング物理学」はゴルフの質を好転させてくれた理論となっている。

「ゴルフを良くするには、まずは実践することが大事だと思っています。新しいことに取り組むと、そこには新しい発見があるので、今は目標ある練習ができています」と笑顔を見せる。「来年の日本プロに出場に向けた準備をしないとなりませんし、それ以外にも、良いスイング作りを目指して取り組みたいことがたくさんあって」と目を輝かせた。

 普段は千葉にあるキングフィールズGCで練習に励み、サウナ巡りとキャンプを楽しんでいるという鈴木。好奇心を高めながら挑戦を続ける、新人プロの活躍に期待がかかる。