2022年の集大成といえる、ゴルフ界国内最強布陣がやってきた。各ツアー今年のスター選手が一同に集う「日立3ツアーズ選手権」が11日、千葉県にある大栄カントリー倶楽部で行われた。ゴルフを通じた社会貢献を目的とした本大会は2005年から続いており、これまでに集まったチャリティー金は総額4億を超えている。難病を抱える子供たちや生活環境などに恵まれない子供たちを支援するチャリティー活動が主旨のイベントだ。
初出場の選手も半数以上を占め、ステージにはフレッシュな顔ぶれがそろった。各チーム6名総勢18名がこの特別な場所に立ち、プロならではの技術を披露し、個々がスーパースターの持つオーラを放ってギャラリーを魅了する。
大会はピックアップされた9ホールを1ステージとし、各ペアのスコアをポイント換算して争う団体対抗戦。ベストボール方式(フォアボールストロークプレー)、オルタネート方式(フォアサムストロークプレー)と見ごたえあるペア対決の舞台が用意された。
PGAチームは、今季シニア賞金王に輝いたプラヤド・マークセン、現役レギュラー、シニアツアーを戦う藤田寛之、深堀圭一郎、シニア賞金ランク3位の兼本貴司、地元千葉出身で念願の大会出場を叶えた大ベテラン鈴木亨、今季シニア開幕戦で初勝利を挙げた塚田好宣という平均年齢54歳の若返りを果たしたPGAチームが結成された。
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兼本・藤田ペア
ベストボール方式の1
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ステージでは、飛距離の出る兼本がパー5で確実にバーディーを仕留め、藤田も負けじと追従。このペアで6つバーディーを重ね3ポイントを獲得したが、結果的には唯一のポイントゲッターペアとなってしまった。
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ステージはオルタネート方式で、1つのボールを交互に打つことになる。兼本・藤田ペアは6番パー5でバーディー・ノーボギー。1組目は同点スコアで4ポイントゲットし、後続の活躍に期待することになる。
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深堀・鈴木ペア
1
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ステージではショットメーカーの2人がベテランの技を披露した。3,4番パー4、さらに8,9番のパー4で計4つのバーディーを重ねたがJGTOペアは6つ、JLPGAペアは5つとバーディー合戦の組では一歩及ばず、PGAはゼロポイントに終わる。鈴木は「4つ伸ばせたのに、相手が強すぎましたね」とがっかり。深堀も「いいパットを外しちゃって」と肩を落としたが「9ホール勝負ですし、後半も最後まであきらめずにやればチャンスもある」と期待も抱く。
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ステージの2番ホールで鈴木がティーショットを左の池に入れてしまい、このホールダブルボギー。その後6、9番でバーディーを拾うもJLPGAチームに1打及ばすこのペアでは4ポイント。
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マークセン・塚田ペア
「バーディー・バーディー・バーディーみたいないつものマークセンのゴルフじゃないんですよね」と苦笑いして1
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ステージを終えた塚田。5,6番パー5で連続バーディー、ワンオンホールの9番パー4でマークセンのドライバーショットはピンを直撃するというまさに狙い撃ち。ボールはグリーンオーバーしたが楽々バーディー、PGAペアは34としたが、JGTOペアが1イーグル5バーディーを含む30で回りPGAチームはポイントゲットならず。
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ステージに入ると、コースには5メートルを超える北風が吹き、スコアも荒れることが予想されたが、JGTOペアの比嘉・河本が最後まで好プレーを見せて2アンダー。一方そろそろマークセンのギアが入るかと期待されたが、7番パー3でボギー、9番でようやくバーディーとスコアを伸ばせないまま、鉄人マークセンの技をアドバンテージには変えられなかった。PGAペアは3ポイントの加算で終わった。
終わってみればJGTOチーム21ポイント、JLPGAチーム19ポイント、PGAチーム14ポイントと優勝チームに大差をつけられたが、表彰式では優勝を喜ぶ若手チームの姿をPGAチーム選手は微笑んで見守った。優勝チームでMVPを獲得した比嘉一貴は「女子の連覇を阻止できたので最高に気持ちいいです!男子ツアーはこれからも盛り上がると思いますし、レベルも非常に高いのでしばらくは男子の連覇が続きます」と力強くスピーチしたのだった。