50歳以上のPGAティーチングプロ日本一を決定する「第18回PGAティーチングプロシニア選手権大会」の第1ラウンド。伊藤正己(66・TP-A)が6アンダー66をマーク、エージシュートを達成して首位に立つ。3打差の2位に大橋義幸(55・TP-B)と前年覇者の中根初男(59・TP-A)が続いている。
選手年齢順で4番目の66歳で出場している伊藤正己が、7バーディー1ボギー66ストロークで回り初日首位に立った。これまでシニアツアーで2度、エージシュートを披露しているベテランシニアが、ティーチングプロシニアでもエージシュートを達成し、好プレーを展開した。
伊藤は2019年ノジマチャンピオンカップ箱根の第1ラウンドで62ストローク63歳、2021年日本シニアオープンの第1ラウンドでは65ストローク65歳で達成しており、60代での達成には多くのバーディーが必要になるため、達成はなかなか難しいとされているが、50歳以上・シニアの部と自らハードルをあげた上での好スコアに周囲も驚きを隠せない。
「グリーンをほとんど外さなかった」と伊藤は振り返る。1番スタートホールではティーショットが右の林へ。出すだけとなり3オン2パットのボギー発進。ベテランはすぐに気持ちを切り替え、2番パー3で2メートルに着けてバウンスバックに成功。前半3つのバーディーパットは2~3メートルの距離を確実に決め、後半はショットも冴えて4メートル以内についたバーディーを4つ獲ることができた。
伊藤はスコアを狙って気負うと、試合ではいいパフォーマンスを発揮できないという。「何も考えない。適当にやるだけなんですよ」とさらり口にするが、そのためには日々練習を続けている努力の裏付けがある。「所属する明智ゴルフ倶楽部には、そうだね、もう39年お世話になっています。39年か。ポーターさんを除くと、もう私が一番年上になっちゃったよ(笑)」と頬を緩ませた。「試合以外は、ほぼ休みなく練習しています。平均すると月15~20ラウンドお客さんとラウンドレッスンしたりしてます」と、ゲーム感を切らさずにゴルフを続けているという強みがある。
「試合に出場することが、プロゴルファーとしてのモチベーション。来週もティーチングプログランドシニア選手権も予定してます。他の選手からは『遠慮してよ』と言われるので、最近は少し出場を見送っていましたが、うまくいってもいかなくても試合は楽しいし、終わったあとのお酒も楽しみなんですよ」と、白い歯をのぞかせた。
今回の1次予選(伊勢カントリークラブ)は68でトップ通過。2次予選(小野東洋ゴルフクラブ)で69、68をマークし、2位に4打差をつけてトップ通過という実力をみせている。「自分でもわからないですが、なんとかいい成績を出せればいいね」とこのまま無欲でタイトル獲得に向かいたい。