いぶすきゴルフクラブで開催した20年前のカシオワールドオープン大会覇者・イマカツこと今井克宗が、リーダーズボード上位に浮上した。「久しぶりにこんなに流れのいいゴルフができたんですよ」と満面の笑みを浮かべる。
第2ラウンドは10番ホールからスタート。ティーショットはフェアウェイを捉え、残り52ヤードをベタピンに着けてバーディー発進。12,13番とさらにバーディーを重ね、前半は33をマーク。バックナインでは5番パー5で残り80ヤードのサードショットを1.5メートルに着けて4つ目のバーディー。堂々のノーボギーで2位に浮上し、好位置で最終ラウンドを迎えることになる。
今井は2022年すまいーだカップシニアでシニアデビューを果たしたが、久々の試合ということもあったのかデビュー戦の成績は54位。シーズンは12試合に参戦したもののトップ10入りはなく、賞金ランキングは66位に留まりルーキーイヤーを終えることとなった。実はシニア入りの4年前、47歳で心臓弁膜症を発症し、40日間の入院や人工弁膜を入れる手術を受け、レギュラー2勝という功績を残しながらもプロゴルファーとしての活動は思うようにはいかなくなっていた。
本人曰く「ゴルフスイングは工事中なんですよ」と苦笑い。現在複数のインドアレンジを経営する会社の役員ということもあり、ゴルフスクールを依頼しているレッスンプロに「俺のゴルフをなんとかしてほしい」と頼み込み、グリップの握り方に始まり、スイングを改造している最中だという。「でもね、そうやって若いレッスンプロの目で見てもらうことで、新しいゴルフの捉え方があることを知りました。ゴルフって想定外のことがいくらでも起こる。だからあきらめることなく、流れが来ることを待って、それに良い集中力が生まれるんだと思います」とレギュラー時代の経験を重ね、今の自分を冷静に俯瞰する。
振り替えれば2003年に優勝したカシオワールドオープンで「65・65・67・67」と2位のブレンダン・ジョーンズに7打差をつけてツアー初優勝。圧巻のプレーを披露したことで、明るい性格とゴルフの爆発力にぴったりくる「ラ・ボンバ」と呼ばれて親しまれている。
再起をかけたシニア最終予選。イマカツは「バンカーにいれないことは鉄則」とコース攻略を主眼に置き、「昨日までは最終予選会は50位くらいで『日本プロシニア』には参戦できたらいいかなってくらいに思っていたんですけど。よし、こうなったら最終日もがんばるしかないって気持ちが出てきました」とニヤリ。あとはゆかりのあるコースで、20年前の良いイメージを抱き、最終ラウンドに向かって全力を尽くすだけだ。