シニア最終予選会は120名が出場するが、そのうち1973年生まれのシニアルーキーが21名参加している。中にはツアー1勝を挙げている増田伸洋と広田悟というフレッシュな顔ぶれが最終予選のフィールドにいる。
増田伸洋は2006年「マンダムルシードよみうりオープン」で優勝しているので、最終予選会には「レギュラーツアー1勝を挙げているもの」という資格を行使してエントリーした。昨シーズンはAbemaTVツアーをフィールドとし、試合勘を切らさずシニア入りを目指してきた。
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昨年11月には、試合の合間を縫って地元千葉県で開催されたコスモヘルスシニアトーナメントを観戦したという。「倉本プロに『シニア入りいつ?』と聞かれて『来年です』って答えたら、『じゃあ、今から最終組の後ろでプレーすれば』って。そんな冗談とか言えるのってシニアは懐が広いなと」と、シニアの雰囲気に増田は頬を緩ませた。
「ただ今のシニアレベルは高いという話も聞いています。パワーでスコアを作るレギュラーのマネジメントは不要みたいですし、だからこそハイレベルなテクニックが必要になってくると思っています。今回いぶすきのコースコンディションは素晴らしい仕上がりですし、フェアなゲームができる環境の中で、自分のベストなパフォーマンスを出したい」とシニアツアー参戦を見据えている。
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5日前に50歳の誕生日を迎えたばかりの増田だが、年の数だけ悩みもある。「身体が痛くなってきてケアする時間も増えました。練習はレギュラーでバリバリやっていた時のように、力や時間のかけ方はもうできない。そういう意味ではゴルフの捉え方が変わってきています」と思うようにいかなくなっている現実もあるが「とにかく今できることだけをね、やってみます」と口元を引き締め、決意を新たに増田はシニア最終予選に向き合った。