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グランドゴールド

【日本GGユニテックスHD杯/1R】昨年のグランド覇者、室田淳が連覇を放棄してゴールドにエントリーしたのは?

2023年09月30日

 68歳以上の日本一を決める「日本プロゴルフゴールドシニア選手権大会」の初日、今年7月に68歳の誕生日を迎えた室田淳が、5バーディ・ボギーなしの「67」でエージシュートを達成し、73歳の高橋勝成と並ぶ5アンダーで首位に立った。

「ボギーがなかったから良かったです。ショットを丁寧にやっただけ。1回グリーンを外したかな」。本人の記憶では18ホール中17回バーディパットを打っている。ゴールドの部は6277ヤード・パー72の設定で、普段戦っているシニアツアーに比べると短い。そのため、「ショートアイアンだから乗るのが普通だと思ってやっている」と考えている。

68歳と一番若い室田にとっては短いコースに、前半だけで4バーディ。後半最初の10番でもバーディを奪い、5アンダーで単独トップに立った。しかし11番以降はすべてパーで伸ばしきれず。「全部2パットだよ。カップを何回か舐めているから。5メートルくらいじゃ入らないから、その半分の2メートルくらいに乗せないとダメ。後半はちょっと風が出てきたから近くに寄らなかった」。

実は室田、今年のシニアツアーでは賞金ランキング52位と苦しんでいる。7試合に出場して「ファンケルクラシック」の21位タイが最高成績。今月の「日本シニアオープン」では予選落ちを喫した。ここまでシニアツアー通算20勝を挙げて、18年連続で賞金ランキング30位以内のシードを守ってきたが、今年の雲行きは怪しい。

「朝起きたら今日は本当にゴルフをできるのかと思うくらい、ヒザ裏から肩からヒジから手首から全身が痛い。起きて1時間くらい経つと普通の人間になっている」と、満身創痍の状態。加えて、「今年はパッティングが本当に良くない」。今年のシニアツアーでの平均パットは1.8393で49位。昨年は1.7916で18位だった。13年には1位に輝いたこともあるパッティングにも苦しんでいる。

そんななかで大会初日は、室田の15歳年上、83歳の古市忠夫と同じ組だった。「やっぱり素晴らしい。あの歳にしてしっかりボールをつかまえているし、パッティングは俺よりも上手。あの歳までやっていけないだろうなと思いながらやっていた」と話す。トップに並ぶ高橋勝成も5歳年上で、最終日は同組となる。シニアツアーでは自分よりも若い選手と回ることが大半だが、68歳以上の今大会ではそれが逆転する。「高橋さんの邪魔をしないように、先輩の影を見て歩きます」と笑う。

ところで、室田は昨年の60歳以上で競う「日本プロゴルフグランドシニア選手権大会」で優勝している。68歳となってもグランドの部にエントリーすることは可能。実際、68歳の倉本昌弘はグランドの部に出ている。なぜ連覇の権利を放棄してゴールドの部を選んだのかは気になるところ。

「俺は関東ゴールドに出ちゃった。だからゴールドしか出られないのよ」。室田は昨年大会を制しているため、5月の「関東プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権大会」で上位に入らなくても今大会に出場が可能だった。しかし、関東ゴールドに出場して、2位タイで突破してしまったがために、大会の規定上、日本グランドにエントリーできず。つまり、室田はその規定を知らずに、関東ゴールドに“うっかり”出てしまったのだ。

だから今年は、グランド→ゴールドでの連覇がかかる不思議な構図に。「明日(最終日)はそんなに上手くいかないよ。それなりにできればいい」。シニア入りしてからこれまでに「日本プロシニア」、「日本シニアオープン」、「日本グランドシニア」と数々の日本タイトルを獲得してきた室田が、また新たな日本タイトル獲得を目指して残り18ホールを戦う。