60歳以上のグランド部門と、68歳以上のゴールド部門で競われる「ドゥ・ヨネザワ企業グループカップ 関西プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権大会」が5月17日、18日の2日間、熊本県にあるくまもと阿蘇カントリークラブ湯の谷コースで開催される。ゴールドシニアには友利勝良(68)や古市忠夫(82)、谷中宏至(75)といった40名が、グランドは伊藤正己(67)、平石武則(63)など47名が出場する。
会場となっている「くまもと阿蘇カントリークラブ湯の谷コース」は1952年に開場し、熊本で一番古いゴルフ場として地元からも親しまれている。コース監修は井上誠一氏による作品で、自然の地形によるアップダウンを生かした山岳コースで、距離は無いもののスコアメイクが難しいレイアウトになっている。飯田雅樹競技委員長は「グリーンは複雑なアンジュレーションがありますし、コース内には、グリーンが見えなくなるくらいの高低差があります。狭いフェアウェイを捉えたとしても、グリーンまでの戦略も考慮してゲームを組み立てる必要がありますね。そういう意味では、飛距離はアドバンテージにはならないので、フェアなゲーム展開になりそうです」とコースの特徴を説明する。
昨年大会では、グランドの部で2位の浜田節夫(62)に2打差をつけて通算6アンダーで優勝を飾った伊藤正己(67)。伊藤は「70歳まではシニアツアーに挑戦する」という目標を掲げ、毎日練習を重ねている。伊藤にはコースなりに打てるドライバーが強みではあるものの「好きなタイプのコース」というほど、ショットを駆使したマネジメントも大の得意とするところ。「1年前の良いイメージもあるし、もちろん優勝したい。やるだけのことはやってきていますので、あとは本番のみ」と、気持ちも高まっている。
ゴールドの部で昨年優勝した友利勝良(68)は「絶好調で楽しいよ」と白い歯を見せる。久々に湯の谷コースを味わって「こういうところはゲームが面白くなる。特にグリーンが難しいコースだけど、今日の練習でまた勉強してきたよ」と期待を込める。昨年大会で友利は、72、69の通算3アンダーで回り、上位の混戦を制し、2位には1打の僅差で優勝を決めている。さらに今年のゴールドの部には、ルーキー選手である草野忠重(67)、川上典一(68)、北代武史(68)、蔵岡伸二(67)、時田陽充(67)といった選手も上位を狙う。
本大会にティーチングプロが出場するためには、ティーチングプロを対象にしたグランド・ゴールド出場選考会をクリアする必要がある。今年は3月に2日間大会として行われ、ゴールドは32名中上位7名、グランドは87名中上位19名という難関を突破した選手だけに参加資格が与えられている。
竹下忠直(写真左)はティーチングプロシニア選手権を3勝(2008、2012、2013年)を挙げていて、競技会にもずっと挑戦し続けている、明るくポジティブティーチングプロ。昨年の関西ゴールドでは13位という成績で、1打足らずに日本ゴールドシニアへの出場切符を逃してしまった。「南紀白浜に出場したかったんですよ。1打の悔しさを忘れず、練習してきましたから、今年こそはという気持ちですね」と決意の強さを示した。
グランドの部で出場を決めた浜田節夫はティーチングプロシニア(2010年)とティーチングプログランドシニア(2021年)で優勝し、ティーチングプロとしても日々レッスン活動に勤しんでいる。「ショットを打ち分けるのも好きなんですよ。戦略的なコース好きなんですよ」と浜田も笑顔を見せる。ゴールドシニア40名、グランドシニア47名による関西タイトルを目指した戦いがいよいよ始まる。