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グランドゴールド

【ドゥ.ヨネザワ企業G杯 関西ゴールド/1R】くまもと阿蘇育ちという草野が3アンダー首位、73歳・曽根は1アンダー3位

2023年05月17日

 くまもと阿蘇カントリークラブ湯の谷コースで17日に行われているドゥ.ヨネザワ企業グループカップ 関西プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権大会の第1ラウンド。ゴールドの部は3アンダー69ストロークで阿蘇出身の草野忠重(67)が首位スタート。首位1打差2位に中村彰男(71)、さらに1打差1アンダー3位に曽根保夫(73)が続いている。

 阿蘇出身の草野忠重が5バーディー2ボギー、69ストロークでスコアをまとめ第1ラウンド首位で好スタートを切った。草野はスタート10番パー4でセカンド残り130ヤードを9番アイアンで2メートルに着けてバーディー先攻。13番ではティーショットを右にプッシュしてOBにしたがボギーで凌ぐと、続く14番パー5で上から3メートルのパッティングを沈めてスコアを戻した。

 後半1番パー4では6メートル、名物ホールの“馬の背”3番パー5では、ドライバー、ユーティリティーを駆使しボールを運び、サードショットは80ヤードを2メートルにつけてバーディー奪取。快進撃は続き4番パー3で138ヤードを9番アイアンでピン右横2.5メートル。これが5つ目のバーディーとなる。7番パー4では3パットボギーとスコアを落としたが、堂々の69ストローク3アンダーでリーダーズボードの最上位に名前を挙げることができた。

 熊本・阿蘇生まれの草野は、試合会場であるくまもと阿蘇CC湯の谷コース育ち。草野にとって24歳までゴルフの腕を磨いたホームコースでもある。コースをくまなく知るアドバンテージも生き、難グリーンでもしっかりと癖を見抜いてパッティングを打ち切った。「ショットをラフに入れてしまうと、グリーンに乗せるだけでバーディーは難しい。パッティングはショートしないようにきちんと打ち切らないと、チャンスはつかめない。このコースは平なエリアが無いので、特有のマネジメントを持って挑まないとコースに負けてしまう」と分析している。

 草野は今年10月に68歳を迎えるゴールドルーキー選手の一人であり、故郷のコースで錦を飾りたい思いが人一倍強い。「あと2打でエージシュートでしたね。明日はエージシュートを目標に、この大会を無事に完走できたら嬉しいです」。ゴールド初出場での優勝というチャンスに一歩近づいた。

 第1ラウンドは71ストロークとし、エージシュートを達成して3位に入ったのが曽根保夫(73)。「辛抱、辛抱が続いたラウンドでしたよ」と目を細めて微笑み、一日を振り返った。

 5,793ヤードという距離は、ゴールドの選手にとって決して短いヤーデージではない。自然のまま残るうねりの強いコースレイアウト、阿蘇山から流れる芝目の難解なグリーンは、番手と技術を駆使して挑まねばならない。曽根は前半1バーディー2ボギーで苦戦していたが、後半のキーホールとなる”馬の背”3番、続く4番で連続バーディー奪取。同組でプレーしたゴルフ仲間の好敵手・谷中宏至と切磋琢磨しながら18ホールを乗り切り、第1ラウンドはアンダーパーが3名しかいないという状況で自分のゴルフをやり切った。

 曽根は8年前に胃がんに罹り腹腔鏡下手術を受けている。「術後は体重も落ち、精神的にもゴルフができるかどうかもわからなかった」と述懐する。それでも大好きなゴルフを続けたい、仲間とゴルフを楽しみたいという熱い思いが曽根の回復を後押ししていった。少しずつリハビリ続けている70歳の時に、これまで所属していたゴルフ場(枚方G)を定年退職しているのだが、滋賀県にある「オレンジシガカントリークラブ」の社長から「もしよかったら、うちのゴルフ場を手伝ってほしい」と声をかけてもらい、「まだまだ大好きなゴルフを続けたい」という気持ちが募り、ゴルフ場所属プロとして契約をしてもらえることになった。

「プロゴルファーとしてゴルフ場でお世話になることは、プロ冥利につきます。そして、プロ活動をサポートしていただいているので、一日でも良い報告をゴルフ場へ届けたいです」。曽根は目を輝かせ、「今日のような上位フィニッシュは嬉しいですし、神様がもっと練習せいって言ってくれてる気がします」とプロゴルファー人生に感謝を示した。ラウンドも練習もこよなく愛する73歳の曽根が、最終日最終組で精一杯の戦いを見せてくれるに違いない。