第1ラウンドでは4アンダー首位の比嘉勉と1打差の3アンダー2位につけたのが小田教久(こだ・のりひさ)。パラグアイ出身の小田は、2017年に5度目の挑戦となる資格認定プロテストに合格し、プロ6年目という遅咲きトーナメントプレーヤーでもある。
イン10番ホールからボギーが先行するスタートだったが、12、13、15番とバーディーを仕留め、前半を2アンダーでターン。後半のハイライトは上りの3番パー4(361ヤード)。セカンド残り115ヤードをピッチングで1メートルに着けてバーディーとした。5バーディー2ボギーという成績には本人も笑顔。「雨で締まっていたバンカーにかなり救われた」といい、ガードバンカーでは自信をもって1ピンに寄せる技術を披露できたようだ。
当時最年長56歳での合格には喜びもひとしおだった。2016年7月に腎臓がんの摘出手術を行い、リハビリして絶対にプロゴルファーになると誓い、3度目の最終プロテストで夢を叶えることができた。なかなかシニアツアーでプレーをするというハードルは高いが、ゴルフのレッスンと練習漬けの生活には楽しみも見出し始めているという。
現在、東京都府中市でレッスンスタジオを自ら経営しているという。店名は「BACK TO BASIC」(バック・トゥ・ベーシック)で「まずは基本に戻りましょうね」という優しい意味を込める。「レッスン場は鳥かごなのですが、全部自分で創り上げたこだわりのスタジオなんですよ。日頃から芝の手入れとかが好きでね、もともとゴルフというスポーツは性にあっていたのかもしれません」と言葉も弾む。小田が上々のスタートを切り、プロ6年目で初優勝にも手が届く好位置に着けられた。