グランドシニアは今年還暦を迎える選手含め、60歳以上を対象にした試合。出場する79名のうち、17名がグランドルーキーとしてデビューを飾る。中でもシニア入りしてから賞金ランキングシードを継続中で、今年2月に60歳を迎えた清水洋一の活躍に注目が集まる。
練習ラウンドでは清水と同組に久保勝美(60)、平澤忠明(59)、高橋正博(59)と埼玉を活動拠点とする4名のメンバーが集結。昔から気心知れた仲間とのプレーは心地よい時間が流れていた。清水は「グリーンが難しいですよね。どうなってるの?という感じでした(笑)。パッティングのタッチが決まりさえすればいいのですが、ここのところ1週間ラウンドが続いている中で、まだしっくりこない」と少々不安もある。それでも今季シニア2戦目のノジマチャンピオンカップ箱根では10位タイと健闘しており「箱根のグリーンは金時山からの芽の向きと傾斜がつかめれば」と勝機を伺う。
シニアツアーでは久保、清水、そして前年覇者の崎山武志(60)がタイトリスト3兄弟としてギャラリーを楽しませてくれているが、3兄弟もいよいよグランドシニアで肩を並べることになる。長男の久保は「課題はパッティングなんですよ。グリーンの傾斜が読めなくてね、ちょっと苦戦してます。近々、ゴルフ用の眼鏡かコンタクトにする予定です」と、ゴルフ向上に工夫も凝らす。崎山はこの日の練習ラウンドには参加しなかったが、昨日千葉で行われたマイナビシニア&レディースで2位に入る健闘を見せている。タイトリスト3兄弟の活躍にも注目したい。
注目選手にはグランドルーキー以外にも。60代でパワーと迫力のある高見和宏(63)と小溝髙夫(61)は練習ラウンドで豪快なプレーを楽しんでいた様子。レギュラーツアー2勝、シニア2勝を挙げているのが身長181センチの髙見。「僕はシニアの渡辺謙。髙夫はシニアのチェ・ホソンだよなぁ」と小溝との体格差を笑い飛ばす。一方の小溝は190センチと体格では髙見を大きく上回る。強いショット力を持ち合わせていて、打ち下ろしの9番パー4(331ヤード)は、ドライバーを持つと「グリーンオンはできる距離だし、曲がると駐車場まで飛んじゃうからね。あえて刻むよ」とこちらもビックスケールのコメント。ジャンボ軍団で腕を磨いていたという二人は、飛距離のパワーゲームに加え、小技も随所で光るのが持ち味だ。
髙見にとって関東グランドは、2020年(1日大会)は64ストロークで首位1打差の2位、2021年(2日間大会)では、初日首位に立ちながらも優勝には1打及ばず2位と、これまでのところ相性のいい大会のひとつでもある。ドライバーの飛距離は250ヤードというが、本コースのマネジメントはあらかた頭の中には入っている。髙見も小溝も「頑張ります」と声をそろえ、箱根湖畔で手ごたえを確かめていた。