船橋カントリークラブで17日に行われた船橋CC杯関東プロゴルフゴールドシニア選手権大会の最終ラウンド。首位スタートの尾崎健夫(69)が3バーディーノーボギーの通算9アンダーで完全優勝を飾った。2位には4アンダーで室田淳(67)、海老原清治(74)が続いた。昨年覇者大野雅幸(72)は通算1アンダー7位タイで大会を終えた。
「シニアなってから、ずっと勝てなかった室田に勝てて、嬉しいね。自信になるよ」。初日6アンダーで首位スタートとなった尾崎健夫(69)が最終日も3バーディーボギーフリーの通算9アンダーで関東プロゴルフゴールドシニア選手権の栄冠を手に入れた。
第1ラウンド終えて尾崎は「室田とは6アンダーのリードがないときつい」。1つ次元の違う鉄人室田には2打のリードは逆にプレッシャーを感じてしまう差でしかなかった。
「室田に並ばれるまでにジーっとしていようと思っていた」。出だしの1番ホールからセカンドショットを1メートル半に寄せるもパー。続く、2番、3番でもバーディーチャンスにつけたが、全部カップに届かずショートしてしまう。「引き離したい気持ちはあるのに、壁を打ち砕くための勝負を、自分から仕掛けて、攻めることができなく、思い切ってパターを打てない」。それほど室田の壁は強固なものだと感じてたのだろう。攻めていけない状況でも、4番パー5ではセカンドショットを1ピンに寄せるスーパーショットも放つも、イーグルパットはまたショートしてしまうが、初のバーディーを奪った。5番からもショットはピンに絡んでいくが、パッティングがショートするホール続いていく。7番パー5ではバーディーとしたものも、前半を終えて、2位の室田とはスタート時点と変わらずの2打差であった。
「前半は調子がよかったドライバーも後半は重圧なのか、ちょっとおかしいと感じてきた。そしたら室田OBを打ってくれて」。重圧のかかる優勝争いも2014年にコマツオープンに勝って以降はほとんどなく、重圧を感じそうなプレッシャーのかかる場面でも、風向きは尾崎に味方してくれていた。「勝つためのゴルフを思い出しながらプレーしてました。恥ずかしいけどパンチショットのようなドライバーを打っていたね」。自信を掴むために、そして室田に勝つためにも隙を見せないようセーフティーなゴルフを後半は終始続けていった。
「勝ちから遠ざかるとこんなものかな」。セーフティーにやっていてもどこか、大きなプレッシャーも感じていたようだ。尾崎にとってそれほど室田の存在は大きかったようだ。
18番パー5の4打目OKの距離に寄せた時、室田から“おめでとうございます”と聞こえてきた。尾崎もプレーシャーから解放されたのか、満面の笑みと答えていた。ただ一人2日間ノーボギーの完璧な完全優勝で勝利を掴んだ。
「ゴルフというのは、自分のゴルフ見つめて、しっかり自分でやりきること、やらなければ勝てない」。昨年はプレーオフで敗れ、ここでも勝てないかと感じていた部分もあった尾崎にとってこの勝利は、室田に勝った自信とともに、まだやれるという気持ちも奮い起こす勝利となったに違いない。レギュラー15勝、シニア5勝を挙げていジェットの今シーズンの活躍にも期待したいところだ。