「アイドマMCカップシニアオープン・プロアマトーナメント」が9月5日にプロ30名、アマチュア88名が参加して第1回大会が開催された。バーディー合戦になる大混戦が予想されていたが、篠崎紀夫(53)が64ストロークをマークし初代チャンピオンに輝いた。篠崎には蛯谷貴大会会長より優勝トロフィーと賞金150万円が贈られた。優勝1打差の65ストロークを出した加瀬秀樹(63)と宮瀬博文(52)が2位に入った。また、室田淳(68)が68をマークしてエージシュートを達成した。
今年はシニア入り5年目を迎える篠崎紀夫。2021年にシニア賞金王に輝いた翌年は、賞金ランキング34位と思うような成績が出せないでいた。今シーズンもマルハン太平洋シニアを終えて賞金ランキングは41位。シーズン前半で得意としていたノジマシニアでも65位と低迷し、ショットなのかパッティングなのか不調の原因がわからず、苦悩の日々が続いていた。
先週末に出場したシニア後援競技の2日間競技「鴻巣シニア」で、篠崎には復調の兆しがあった。「無意識的にずれていたショットの微妙な感覚が戻り始めたんです。それはパッティングの流れ、調子が良くなってきたんです。パターの先端に小さな鉛を張ったら感覚が良いほうにいったみたいで。ゴルフの流れを変えられるのは、やっぱりパッティングなんですよね」と微々ではあるが手ごたえを掴んできた。
大会のラウンドを振り返ると、フェアウェイは2回ほど外したが、全体的にドライバーショットが安定していた。インスタート11、12番と連続バーディーを仕留め、18番でもバーディーとし3つ伸ばして後半へ。アウト1番ホールのセカンドは雨で湿ったラフからのショットがグリーンに届かず、アプローチも4メートルを残したが、登りのフックラインを読み切ってパーで凌ぐ。3番はバーディーを獲り、7番でもバーディーを重ね、最終9番パー5ではセカンド残り200ヤードをユーティリティ23度でグリーン手前に運び、上りの5メートルを沈めてイーグルフィニッシュ。ノーボギーと完璧なプレーで64ストロークはここ最近で最高の出来。篠崎が第1回大会のチャンピオンの座についたのだった。
「少しずつですが、好調だったときの感覚を取り戻し始めました。今季はシニア賞金王の3年シード資格で参戦していますが、これから得意の秋シーズンを迎えることもありますし、今週のコマツオープン、来週の日本シニアオープンでは上位フィニッシュをして、賞金ランキングシードに入りたい」。苦悩した一年半を経て、「ムリ・ムラ・ムダ」の「3M」を掲げて賞金王タイトルを掴んだ篠崎に笑顔が戻ってきた。
プロアマ大会、そしてプロアマトーナメントという2日間を通じ、「富山のみなさんは競技レベルが高くて、ゴルフへの情熱も強い。そんなアマチュア選手のみなさんと楽しく過ごせたからこその優勝だったと思っています」とこの優勝をかみしめて、第1回記念大会を笑顔で振り返ったのだった。