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シニアツアー

【いわさき白露シニア/2R】「年間20ラウンドはしている」寺西明は勝手知ったるコースで優勝争いへ

2023年11月25日

「あそこまできついのはない」初日はグリーン上のボールのラインも左右されるほどの強風の中で2オーバー・14位タイと耐えた57歳の寺西明。風も穏やかとなった2日目は6バーディ・1ボギーの「67」と5つ伸ばし、トータル3アンダー・4位タイと一気に優勝戦線に浮上してきた。明日の最終日はトータル6アンダーでトップに立つ宮本勝昌を3打差で追いかけて、逆転優勝を目指す。



 2015年の49歳でプロテストに合格して、文字通りのシニアデビューを果たした寺西にとって、「いぶすき白露シニア」は17年にツアー初優勝を成し遂げた思い出深い大会。2日目は昨年覇者の渡部光洋と、同じくトップアマからシニアでプロデビューした59歳の田村尚之との組み合わせで、「気持ち良く回らせていただきました。渡部が伸ばす中でついていく感じでね。お互いがバーディの獲りあいをして、最後はみんなバーディを獲れて良かった」と話す。



 最終18番パー5は、寺西は右手前のバンカーからの3打目を2.5メートルに寄せ、渡部はグリーン奥からの3打目を寄せ、田村は3打目勝負でOKにつけて、3人ともバーディで締めた。「68」で回ってトータル2アンダーで6位タイに順位を上げた渡部も「寺西さんもスコアが良かったので、引っ張ってもらった感じですね。寺西さんはよくコースを知っているので、みんなで良い雰囲気で回れました」と寺西と同じ感想を残した。



 「1月、2月、3月と来ますよ」と、オフシーズンはこのいぶすきゴルフクラブで毎年合宿は張っている寺西。「先々週の空いている週も5日間合宿に来ていますから。年間20ラウンドはしている。自分のメンバーコースより回っている」というほど、いぶすきゴルフクラブを知り尽くしている。コースのスタッフもみんな顔見知りで、「応援してくれているし、恩返しも込めて」と、ここで勝つことに特別な思いもある。



 直近の3試合は23位タイ、39位タイ、27位タイと優勝争いに絡めていなかったが、「今日は久しぶりにけっこう入ってくれました」と、パッティングの調子が上がってきたことも、好ラウンドにつながった要因。「試合ばっかりしていると、ジャストタッチになってしまうので、(強く)打たずにオーバーできないかと考えて、アドレスを変えてカップをオーバーするようにやってみました。それが本当に良かったです」。



 17年から毎年挙げていたシニアツアーでの優勝は5年連続で途切れ、昨年は優勝することができなかった。「優勝したいし、ここで勝ちたい」と寺西の“優勝”への思いは強い。相手は今季のシニアツアーで2勝を挙げて賞金ランキングトップを走る宮本だけに、簡単には勝たせてくれなさそうだ。



 「昨日(初日)に一緒に回りましたけど、宮本は強いからね。1打でも脅かすようにいきたい。もう自分のゴルフをする、その気持ちだけですね。結果はどうあれ勝ちにいきます」。寺西もそうやすやすと優勝を譲る気はない。「出ているプロの中で一番回っている」コースで、20年の賞金王は2年ぶりのシニアツアー6勝目を狙う。