YouTubeのコラボをきっかけに、10月から谷将貴コーチに習い始めた横田真一。「谷さんのレッスンがすごく良くて、球が数段暴れなくなりました」と、そのあとの3試合は6位タイ、3位タイ、8位タイとトップ10を外していない。そして、4試合目の今大会も、トップと1打差のトータル5アンダー・2位タイの好位置で最終日を迎える。
「普通なんですけどね(笑)。パットはよく入ったんだけどそんなに…。いいスコアのときはそんなもんなんですよね。16番で2メートルのバーディパットをショートしたり、17番ではボギーにしたりとか、そういうのもあるんだけど、何だろね」。7バーディ・2ボギーの「67」という好スコアを叩き出しながら、本人は首をひねる。
谷氏はかつて片山晋呉とタッグを組み、2004年、05年、06年、08年と4度の賞金王獲得をサポート。いまも片山の相談相手としてスイングの相談にのるほか、レギュラーツアーの若手、片岡尚之と大岩龍一を教えている。感覚派の横田が直したかったのは手首のスナップを使った大きなフェースの開閉。インパクトが点となるため球がつかまりにくかったが、フェースの開閉を抑えることで安定感が増した。
それに伴って「人生で初めて」ドライバーのロフトを10度に変えた。横田が使うキャロウェイの『パラダイム ◆◆◆』は99.0度の表記だが、アジャスタブルホーゼルで10度に調整している。「本当はロフトが立っているのが大好きだったから、9度よりずっと立っていたんだけど、いまは大人の10度」と話す。その意図については、「手首のスナップを使わないようになっているから」。以前よりもロフトが立って当たるため、ドライバーのロフトはそのぶん寝かせているわけだ。
さらに「特に優勝争いで緊張してきたりすると、やっぱりロフトが寝ているほうが楽。どうしてもスイングが速くなって、振り遅れて球がつかまらなくなってくるから。やっぱり上手い選手ってドライバーのロフトが寝ているんですよ」という副産物もある。ちなみに横田といえば、ドライバーを振り切ったときにバランスを崩し、ミスかと思いきやボールはフェアーウェイというシーンをよく見るが、「それはいつものことだから(笑)。気合いが入ってくるとね」と説明する。
シニアツアー初優勝がかかる明日の最終日は、水城高校の1つ後輩の宮本勝昌と、野仲茂との最終組となった。レギュラーツアーで通算2勝の横田に対し、宮本はレギュラーツアー通算12勝で、今季はシニアツアーで2勝を挙げて賞金ランキングトップに立つ偉大な後輩だ。「明日だけは憧れるのをやめて、アレできればいいなと思って(笑)」。
今年の流行語大賞の候補2つをコラボさせて優勝宣言。最後は「高校の頃は僕より格下だったので、高校時代に戻って雰囲気を出したい」と笑いながら締めた。