ボールがティから落ちてしまうほどの強風で、アンダーパーが1人しかいなかった初日から一転。2日目は穏やかな天候でスコアが一気に動いた。イーブンパーの2位タイからスタートした宮本勝昌(51)が、最終18番パー5をイーグルで締めてトータル6アンダーまで伸ばし、単独トップに浮上。横田真一(51)が1打差のトータル5アンダー・2位、野仲茂(53)がトータル4アンダー・3位に続いた。初日に唯一アンダーパーをマークした鈴木亨は1つ伸ばしたものの、トータル3アンダーは寺西明と並び4位タイとなっている。
宮本は後ろの組で回る横田を1打差で追って最終ホールを迎えた。セカンドは打ち上げでピンまで236ヤード。5番ウッドで放たれたボールはピンの左3.5メートルにつけ、先に打った「崎山(武志)のラインがすごい参考になった」と、スライスラインを沈めてイーグルフィニッシュ。「最後は本当に良かったです。今日ハイライトがないまま終わるところだった(笑)」。逆に横田を1打上回ってホールアウトした。
“ハイライトがない”といいつつ、宮本の1イーグル・5バーディの「66」はこの日のベストスコアで、ただ一人のボギーフリーだった。スコアカードだけを見れば、ピンチがなかったように見えるが、「4番まではギクシャクして上手くいってなかった」と、序盤は耐える時間が続いた。5番パー5で「上手くティショットとセカンドショットがイメージ通りで、バンカーには入ったんですけど、そこからバーディを獲ることができました」と、バーディを先行させると流れが好転する。
8番パー5、10番パー4、13番パー5と伸ばせるところでしっかり伸ばすと、再び苦しい時間が訪れる。「15番、16番、17番とかは数字には出ないけど自分のなかではピンチの連続でした」。そこをすべてパーでしのぐと、最後の最後にイーグルが待っていた。「セカンド地点からはピンが右端に見えるんですよね。本当にいいラインに飛んでいってくれたので、セカンドは会心でしたね」と振り返る。
これで明日の最終日は最終組で今季3勝目をかけて戦う。賞金ランキングではトップに立っており、勝てば必然的にビッグタイトルも手に入る。賞金王の可能性を残すのは、宮本、プラヤド・マークセン(タイ)、藤田寛之の3人のみ。今日、宮本と一緒に回ったマークセンは6打差の8位タイ、藤田は10打差の28位タイにつけており、宮本がかなり有利な状況となっている。マークセンにとってみれば、上がり2ホールを17番パー3ではボギー、18番パー5では2オンしながらパーと、連続で3パットをしたのが痛かった。
「下にいるほど追っかけなきゃいけないという作業がもう1個増えるので、上に行けば行くほど自分のプレーに徹せられる。集中しやすくなると思う」。単独トップで迎える最終日をそう表現する。水城高校の1つ先輩、横田との組み合わせとなったことには、「シニアになってから、もしかしたら初めてかな。楽しみにしています」と笑顔を見せる。最終日も同じように笑顔で終わりたい。